「すごくきれいになったね。」
これは、先日この島に遊びにきた先輩隊員がくれたお言葉。
何がって、この島が。
私たちより1年半ほど前にこの島で語学研修をした彼女たち。
当時はポイ捨てされるごみの量が、多かったのだと言う。
今だって全くないという訳では無いけれど、
私たちが来た頃に比べても、だいぶきれいになった。
別に私がきれいにしたわけではない。
だけど人々の意識が、変わりつつあることを感じる。
それが、すごくうれしい!
島を歩いていても、目にするゴミの量は、ずっと少なくなった。
ゴミ拾いをしていると、手伝ってくれる人が増えた。
この前の土曜日も昼間から、ゴミ捨て場近くのビーチを掃除する集団が。
暑いのによくがんばっている。
そんな彼らに、意地悪く聞いてみる。
「なんで掃除なんかしてるの?」
「そりゃきれいにしなくちゃでしょ!」
かなり嬉しい言葉に、まだ続ける。
「どうして?何のために?」
「そりゃこの島のためにさ!」
うーん・・・・・・・
これは感動するなー。
一気にテンションが上がる!
この島をきれいにするのは、あなたたちだよ。
自分たちの島は、自分たちの手できれいにしなくちゃ。
島がきれいになったら、気持ちが良いよね。うれしいよね。
日本人が掃除しているうちはダメだよ。
最近の高波で、港には一箇所にゴミが溜まっている。
それを一掃しようと、手押し車を持って港でお掃除。
いつものように誰も手伝ってはくれない。
港はみんなの目がある。
島民にとって、ごみを拾うのはカッコ悪い。
そんな姿を見られるわけにはいかないのだ。
この狭い社会では、他人の視線が何よりも脅威なのよね。
良いもーん。私1人でもできるから!
長いネットを使って海面のゴミも拾い、手押し車に山積みにしてゴミ捨て場に向かう途中、友だちに会う。
1人は友だちの旦那のイドリス、もう1人はボートのキャプテンのマリオ。
「杏子はいつもバラーバル(素晴らしい)だな」
「杏子があと二人いると良いね」(これは意味不明)
そして彼らは当たり前のように私の手押し車を手に取り、ゴミ捨て場まで運んでくれた。
途中の道すがらも、落ちているゴミを拾いながら。
こんなことが自然にできるようになったのが、すごい。
だって以前は、道に落ちているごみなんて、完全にスルーだったでしょ。
ゴミ拾いを手伝うなんてカッコ悪いし。
イドリスは、私が思うに、島一番の働き者(モルディブ人部門)の座を、学校の技術員のマレイと争う人。
(一番の働き者は、当然バングラディシュ人のみなさん)
彼はイタリア人の接待を中心に、釣り・工事・イベントのセッティングをしたり、船を出したりと、本当に休む暇もなくよく働く。
マリオは近隣の島を移動する唯一のボートの運転手なので、仕事が入ればいつだって船を出さなきゃいけない。
結構大変な仕事だよね。いつも寝坊しちゃうけど。
とにかくありがとう♪
助かったよ。
いつかこの島のみんなが、自分たちの手で進んでゴミ拾いが出来るようになると良い。
そもそもゴミを捨てなくなることが大切だけど。
まあとにかく、ちょっと幸せな気分になれた出来事だった。
こんな小さな「幸せ」が、私を元気付けてくれる。
「明日もがんばれるかな」って、そんな気になれるよ。