午後6時にはだいたい毎日、港にいる。
日陰を探さなくても、肌に危険を感じなくなる時間。
潮風に当たりながら、海に沈んでいく太陽を見送る。
こうやって夕焼けを眺めているといろんな人が目の前を通り過ぎる。
そんな人たちとおしゃべりしたり、歌を歌ったり、写真を撮ったりして過ごす。
この時間は魚がよく釣れるらしく、釣りをする人も多い。
みんな例のペットボトルに付けた餌をポーンと上手に投げて、これまた上手に獲物を仕留める。
魚を釣ることってこの島の人にはとっては、ごく当たり前のことなんだろう。
そこに海があるのだから、糸を垂らせば魚が釣れる。
だから魚を釣って、自分の家で食べる分が確保できれば、そんなにたくさんはいらない。
ヒマだからただ釣ってるだけだよっていうパターンもあるようで。
別に「ちょうだい!」っておねだりした訳でもないのに、「いる?」って分けてくれることがある。
今日はアジとトリという魚をもらった。
いつもは家に持って帰ってマンマにそのまま渡しちゃうけれど、今回はマンマもいないので。
魚料理に挑戦してみようっと。
果物ナイフのような小さい切れない包丁で、魚を捌く。
これじゃあ骨がなかなか切れない・・・
ああ出刃包丁ってすばらしいなって思うけど、そんなものこの島にはない。
とりあえずは3枚におろす。
真ん中が分厚いような気がするけど・・・
新鮮だから、アジは生で食べてみようっと。
日本の醤油やワサビがないのが残念・・・
ライムを搾ったら野菜と一緒にドレッシングで和えて、さっぱりと食べたいな。
でも「生で食べたらお腹を壊すよ」って、サヌーン(魚をくれた人)が言ってたっけ。
そう言われると「モルディブの」魚の刺身ってのがちょっと心配になる・・・
「島で刺身を食べた」という、地方島隊員に電話で確認すると、GOサイン!
そうだよね。
刺身は生まれた時から食べている日本人だし。
島の人を巻き込まなければマッサラ・ネイ(問題ない)でしょ!
とりあえずはおいしく食べて・・・
数日たったけど、まだお腹に異常はなし。
そして翌日。
トリの方は、下味をつけて小麦粉をまぶしたら、パスタにしてみる。
ひとつはトマトソース。
もうひとつはそのまた翌日にペペロンチーノ。
でもこうやって写真で見ると、どっちもただのパスタじゃん・・・
中に入ってるんだけどな、「トリ」が!
白身で柔らかくてふわふわしてて、おいしかった。
ごちそうさまでーす。
昨日また釣りをしていたサヌーンに、「この前はありがとう!おいしかったよ」ってお礼をした。
すると「また今度あげるね」って。
モルディブ人の「今度」は、もう二度と来ないかもしれないけれど。
今度もらったら、何をつくろうかな・・・
こんなふうに釣りをする。
手に持っているのがペットボトル製釣り道具。