ちょっと前に「ホテル・ヴィーナス」という映画があった。
SMAPの草彅くん主演で、全編韓国語という映画。
舞台はロシアのウラジオストク。
市村正親演じる老オカマ(資料にそう書いてあった)が主人の謎めいたホテル。
そこに暮らすちょっと「ワケあり」な人たちが登場する。
住人は草剪くん演ずるタップダンサー、香川照之演ずる医者とその奥さんの中谷美紀。
あとは韓国の役者さんたち。
どの人も影があり、暗く底の深い「何か」を背負って生きている。
それぞれの心の闇やこの世界が孕む「やるせなさ」なんかを描いた映画。
そんな映画だったように記憶している。
こう書くと何だか暗い話のように聞こえるけれども、映像がとてもきれいで、何とも雰囲気がある。
決して悲しい気持ちにはならない。
この映画を見て以来、ウラジオストク(東方の支配地という意味)に行ってみたいという思いが湧いた。
そこからユーラシア大陸最西端のポルトガルのロカ岬までのんびりと旅してみたい。
シベリア鉄道の起点でもあるこの地。
まずは鉄道に乗り、大きな大きなユーラシア大陸を陸路で少しずつ進んで行く。
いったいどれくらいの時間があれば終点まで辿り着くのだろう・・・
映像が美しいこの映画。
また音楽も良くて、サウンドトラックをそのまま映画館で買った。
中でもお気に入りはKOKIAさんの歌う"DESPERADE"。
もともとはイーグルスの歌だけれども、彼女が歌うとまた違った雰囲気になっている。
「ならず者」と訳される原曲は、何となく「男っぽいとい」うか「西部っぽい」感じだけれども、高く透明感のある彼女の歌声がそれをしっとり切ないものにしている。
だからこの曲は、夜の海に合う。
星空に合う。
月明かりの下で聞く波音に合う。
なので最近のヘビー・ローテーション。
またあの映画が久々に見たいな。
「そのドアを開けるとき やさしさがあふれ そのドアを閉めるとき 涙があふれる」
この映画のコピー。