29日の日曜日、一週間ぶりに島へ帰る。
ちょうどそろそろ島が恋しくなってきた頃。
あの何にもない島で、ゆっくりのんびり風に吹かれたいなって。
今回の上京の目的は、「体育分科会」という学校体育を担当する隊員が集う会に参加するため。
日頃の活動の情報交換のほか、この国が抱える学校体育の諸問題について話し合い、改善策を学校や教育省に提案したりする。
以前にもこの種の会はあったらしいが、いつの間にか消滅していた。
最近はモルディブ隊も体育隊員が増えてきて、情報の共有や蓄積の必要性から、久々に復活したという訳。
この国を構成する小さな島々。
それは大きな海に囲まれている。
だから、人もモノも情報も、交流が難しい。伝わらない。
体育だけでなく、学校教育も、島や学校によってバラバラで、統一されていない。
その島でできることを、できる範囲でやっているという感じ。
「教育の機会均等」という考え方がないのだ。
そんな「不均衡」を、少しでもなくせれば。
体育の授業と言えば、未だに1年中鬼ごっこという学校も少なくない。
この国の子どもたちに、一人でも多く、体育のおもしろさを伝えたい。
そんなことから始まった、この会。
地方島には、一人で派遣される。
小さな島の小さな社会に、日本人がひとり。
ひとりで活動をする不安。
活動の「相手」はいるんだけれど、「仲間」とはまた違う。
「これでいいのかな」と悩む毎日。
そんなときに。
こうやって同じような問題に直面して共に考えられる仲間がいることの心強さ。
これが今後の活動の、大きな糧となる。
こういう機会は、とても貴重なもの。
だから定期的にもてたなら良いんだけれど。
モルディブ隊には「3ヶ月ルール」というものがある。
赴任して3ヶ月は、任地から離れてはいけないというもの。
その目的は、「任地に親しむため」だとか。
だから今回の体育分科会も、赴任したばかりの22年度1次隊は参加できなかった。
でも今いちばん苦労しているのは、彼らなんじゃないかと思う。
苦労することも経験。
苦労することも活動。
そうやってストイックにがんばることは、いかにも日本的でも褒められそうなことだけれども。
もっと肩の力を抜いてもいいんじゃないかなって思う。
「2年間みっちり活動だけに打ち込みなさい」??
私たちも生身の人間だから、気分が上がったり下がったり、そんなことの繰り返しの毎日。
時には息抜きだって必要でしょう。
なにごともメリハリが大事。
上手に気分転換して、また明日からの活動に励む。
首都で仲間に会って、一緒に時間を過ごして。
さあ任地でもがんばろうって。
そんな考えは、「甘い」と一蹴されてしまうんだろうか。
* * * * *
27日にそんな体育部会のメンバーと、月の出を見に行った。
ちょうど20時。
月齢17.2のオレンジ色の月が、水平線上の雲の中から顔を出した。
相変わらずカメラはないので、代わりに体育分科会会長が撮った傑作を。
そしてこれが、久々にお箸を使う会長。
まだまだ負けないと思っていたけれど。
写真分科会会長の座も奪われたかもね・・・