荷物整理をして出てきた、捨てるにはもったいないけれど、もう使わないもの。
持って帰るのが大変なもの。
そんな物をみなさんに配り歩く毎日。
でも帰り道にまた違う人に会って、日本に帰る「手土産」を持たされる。
島にはゲスト用のショップがあるので、そこで売っているちょっとおシャレなもの。
6年生のAzzamは、手作りのバラを持って来てくれた。
リコーダーもうまいし、君って器用だよね。
その黄色と黒のボーダーが、花に群がるミツバチのようだ。
・・・なかなか荷物が減らない、離島8日前。
今日は朝から通り雨。
島の朝が、しっとりと潤った。
大きな水たまりには、水を滴って瑞々しい木々や、いつもより白い雲が写る。
雨の後は空が掃除されたみたいに、青が青くて白が白い。
これも思いがけないhadhiyaaだね。
3年生のNafhaからのhadhiyaa。
I also miss all of you...
そして今日一番のhadhiyaaは、5年生の音楽の時間に起こった。
今日はあの、リコーダーテストの日。
リコーダーを全員が持って来た(もちろん初めて)。
11人中8人が暗譜に挑戦した。
その8人は「小さな世界」を選び、最後まで演奏することができた。
残りの3人は、リコーダーがちょっと苦手。
だけど自分ができる曲を選んで、発表会に参加することができた。
彼らも指使いだってタンギングだって、◎の出来。
みんな本当に、上達したよねえ・・・
そしてこの、2人。
その「小さな世界」は完ぺきな仕上がりで、それぞれ1回ずつ、うるるっときた。
でも我慢しちゃった。
「目が赤いけどどうしたの?」っていう鋭いツッコミに、「昨日の夜寝てないの」なんて、変に誤魔化してさ・・・
涙が出そうな時には思いっきり流して。
「君たちの演奏に感動したんだよ」って、この思いを伝えたら良かったなあ。
心が満たされて流れる涙があることを、素直に伝えられたらよかった。
まあとにかく、私の中にうずまいていた様々な思いは、あの音楽の1時間で昇華された。
この島での活動が、少なくとも音楽に関しては報われたって思えた瞬間。
そんな機会を与えてくれて、どうもありがとう。
君たちと過ごしたこの1年数カ月は、学ぶことの楽しさを改めて感じることのできる、本当に貴重な時間だった。
新しいことに出会って、練習して、そしてできるようになるって、なんて素敵なことなんだろうね。
そんな仕事に携わっていることを、誇りに思えるようになった。
それは君たちのおかげ。