9月28日にAirAsiaがクアラルンプール・マーレ間に就航したその日に。
就航便に乗って、モルディブに行って来た(LCCではまずない機内食が出た!)。
飛行機の窓から見下ろすモルディブは、やっぱりきれい。
青い海に、エメラルドグリーンの水玉にのった小さな島々があらわれ始めると。
やがて首都マーレが見えてくる。
海に浮かぶビル群は何度見ても、異様な光景。
何をしに行ったのかというと、以前にここでも書いた、モルディブでの婚姻手続き。
2万円も出して英文の診断書を作成してもらったのに、結局向こうではそれが受理されず。
首都マーレで健康診断を受けなくていけないとのこと。
前に確認したときと言ってることがちがうけど、モルディブってそういう国だから仕方がない。
久しぶりのマーレは、選挙一色に染まっていた(黄色、ピンク、後ろには赤の政党の旗)。
9月7日に行われた大統領選挙で過半数を獲得した候補者がいなかったので28日に決選投票が行われるはずだったけれど、敗れた候補者が一次選挙の不正を訴えて、二次選挙が延期になったのだと言う。
そんなゴタゴタを聞いていたから、いやな予感はしていたけれど・・・
健康診断は、無事に終了。血液検査の結果もその日のうちに出ると言う、迅速な対応。
しかし問題は、まだ彼の日本ビザが取れていないこと(一緒に日本に帰る予定なのに)。
モルディブには日本大使館がないので、ビザ申請は、
①モルディブの外務省
②隣国スリランカにあるモルディブ・ハイコミッション(高等弁務官事務所)
③在スリランカ日本大使館
という過程を往復するので、ビザを申請してから受理され手元に届くまで時間がかかる。
今やビザなんて電子申請ですぐに取れるものなのに。
日本のビザ申請(国籍によって申請方法が異なる)ってすごく大変。
申請人が用意するのが、旅券、申請書(これもものすごく細かい)の他に、写真、飛行機の予約確認書、渡航費用支弁能力を証明するための所得証明書など。
日本側で準備するものが、招へい理由書、滞在予定表(1日単位で予定を書く)。
申請人に経済力がなければ、身元保証人が必要になり、身元保証書、身元保証人の課税証明書など所得を確認できるもの、そして住民票。
こんなものを毎回準備しなくてはいけないのだ・・・
もうこれは嫌がらせとしか思えない。入国させないようにしているよね。
まあそれはともかく、これらの書類を準備し、ひと月前にはモルディブへEMSで郵送した。
通常は4日くらいで届くのに、選挙戦の混乱の影響か10日もかかった。
彼もすぐにモルディブ外務省にをビザ申請をしたけれど。
日本出発の前日になっても、外務省から何の連絡もない。
もうここで、日本行きが95%ない・・・。
これまでの苦労と費用は、一体どうしてくれんのよと、腹を立てて外務省に乗り込む。
するとそこには、同じくビザがとれない人だかり。
(多くの人は「インドの病院に行きたい」と言っていた)
どうやら国中どこもかしこも混乱しているみたい。
明日が出発なのだと伝えても、「ビザが届いたら電話するから」と、数日前から同じ答え。
こう言われて電話が来るわけがない。日本が98%見えなくなってきた。
こんな時は、頼りになる在スリランカ日本大使館。
彼のビザ申請が、どこの段階で滞っているのか聞いてみる。
話によると日本大使館に申請書類が届いたのが、つい数日前。
(モルディブ側が10日くらい書類をとどめていたということになる)。
審査はすでに済んでいるので、あとはモルディブ側が取りに来るのを待っているのだという。
「でもいつ取りに来るかは、あちらの都合なのでわかりません」とのこと。
これでビザは発行されているらしいことがわかった。日本無理かも・・が90%に下がる。
こうなったらスリランカのモルディブ・ハイコミッションのお尻を叩かねばと、電話する。
「今日中に日本大使館に行ってはみるけれど、それをマーレに届けるのは通常は週に一度のメールボックスだからまだ数日かかるんだけれど、何とかしてみる」とのこと。
「明日が出発なので今日中もしくは明日の午前中に届けてほしい」とゴリ押ししたけれども・・・
ハイコミッションの頼りない答えに、日本がまた99%見えなくなった。
でも出発は夜の10時45分。まだ明日1日時間はある。
結局その日にはハイコミッションからも外務省からもその後の連絡はなく。
これはもう、99.9%無理だなと思って迎えたモルディブ滞在最終日の朝。
10時を過ぎたくらいに彼の電話がなった。
そして奇跡が起きた。
「たった今、スリランカからビザが到着したって」
しかも信じられないことに、そのビザを届けてくれたのは、ハイコミッションでも外務省でもなく、きのう電話で話をしたハイコミッションの職員の友だちだという。
ちょうどコロンボからマーレに帰る前日に、その職員にこの用事を頼まれた。
そして朝イチの便でマーレに到着し、電話をくれたのだ。
電話で言われた場所に彼が急いで向かうと、パスポートとビザを無事に入手できた。
もうダメだと思っていたけれど、一般人の方に救われるとは・・・
こっちはとても助かったけれど。
パスポートとかビザとか、重要な個人情報を一般人に渡すとは・・・なんていう国だ!
もしその人がそれを紛失したら、悪用したら、どうするんだか・・・
彼もその方も感謝するわけでも恩着せがましいわけでもなく。
とてもフツーにやりとりしていたので、こんなこともよくあるんだろう。
またもやモルディブに色んな意味で驚かされた。
と、「良かったね」で終わりかけた今回の訪問も。
結局は婚姻手続きが終了できず、また近いうちに私がモルディブに行くことになった。
まったくいつになったらこの煩わしい諸手続きから解放されるんだか・・・
そんなこんなで今回はまったく観光もできず。
きれいな海が見えるcafeに朝食を食べに行ったのが、モルディブっぽいかな・・・
モルディブの朝ごはんはこんな感じ。
右端にある2種類のマスフニ(ツナサラダ)とクリマス(魚の辛い煮物)をロシでくるんで食べるのが一般的で、これに卵やウインナーを加えるとかなり豪華に!
あとはモルディブの家庭の味(彼のお母さんの味)を久々に堪能し。
ご飯、魚のスープ(ガルディア)、左上は苦味のある葉を辛く揚げたもの(テルリファイ)、アサーラ(マンゴーや野菜のチャツネ)、青トウガラシにライム。
JICAオフィスのマリアンの、マスフニとフニロシ(ココナッツが入ったロシ)もおいしかった。
モルディブ料理って見た目はイマイチかもしれないけれど、とってもおいしい。
こんなのも作れるようにならないとね。