ついきのうモルディブに帰った彼。
(入籍はしたけれど、夫でも主人でも旦那でもない・・・私が主人だ!)
手のかかる大きな子どもだけれども(お遣いはできるようになった)、唯一助かっていたのが。
毎日欠かさず、夕飯を作ってくれたこと。
完全夜型の南国人間なので、夜はいつまでも起きているし。
朝は私が出勤準備にいくら物音を立てても、ピクリともせずぐっすり眠っている。
昼過ぎにようやく目を覚ましたら、コーヒーを飲んでシャワーを浴びて映画を見て・・・
と、1人でなんとも贅沢に時間を過ごしていたらしい。
いつもする訳ではないけれど、もともと料理が好きらしく(亡き父が船の料理人だったとか)。
自転車で近所のスーパーに買い物に行っては、安いものを見つけて、オリジナルクッキング。
貧しい島の出身のため経済感覚が庶民的。無駄遣いしないので、安心。
モルディブでは買えない、豊富な品揃えの日本のスーパーでの買い物を楽しんでいた。
私はと言えば、4月の休みは2日間のみ。
朝7時に家を出て帰宅は21時という、家と勤務先を往復するだけの毎日。
ぐったりつかれてようやく家までたどり着き、エレベーターを降りた瞬間に。
漂ってくるのだ、おいしい匂いが。
この匂いはカレーだな、にんにくを炒めてペペロンチーノだな、なんて考えながら。
「きっと我が家からだろうな」って期待をして。
チャイムを鳴らすと、「お帰り」ってドアを開けてくれる人がいて。
「ただいま」って言った瞬間に、「やっぱりウチからだった!」っていう匂いがするシアワセ。
帰って来るとご飯ができているって、ありがたい。
もうこんなにクタクタで帰ってきたら、料理することよりもすぐにでも眠ることを選ぶもの。
料理をして人をHAPPYにすることに、喜びを見出した彼は。
私の職場の人を呼んで、モルディブ料理を振る舞うこと2回+1回。
それが縁となって、島のサッカー大会に参加させてもらったり。
島を出るときには、空港で盛大な見送りをしてもらったりした。
おいしいものを食べると、人は笑顔になる。幸せになる。
「明日もがんばろう」って、思えるんだよね。
毎日まいにち、おいしいご飯を作ってくれて、ありがとう。
早く帰って来て、またご飯を作って待っていてほしいなあ。
帰国の前日、今度は私の弟とフットサルに行った時。
まだ肌寒い5月の横浜の空には、虹が架かっていた。
彼が帰国して、最初に自分で作ったものは。
ここ最近は食べられなかった和食。
私はこういうさっぱりしたものや野菜が、食べたいんだけどね・・・
(赤飯、ゆしどうふ、あさりとじゃがいものミルクスープ、茄子とピーマンのピリ辛あっさり煮、白菜とツナの煮浸し)
若い人の作る料理は、味が濃くて脂っこい・・・
なんて文句を言っては、いけないけどね。