別居婚中の夫が来日して、数日間滞在していた。
あまり観光は好きではないので、どこへ行くでもなく、足が向かうのはいつも、100均!
向こうでやっているゲストハウスで使う小物や、DIY用品など、こんなに買ってどうやって持ち帰るんだろうかという量を、来日する度に、買い込む、また買い込む・・・
食事に行っても、食べ慣れているインド料理を食べたいと言う。
私は普段食べられない和食が食べたいし、せっかく日本に来たんだから、日本文化に挑戦すればと思うんだけれども、そういう気持ちになるには、まだ度量と経験が足りないらしい。
横浜で家族や友人と時間を過ごした後に、熱海の花火大会に向かった。
同日開催のみなとみらいの花火大会の人出は20万人だというし(怖くて行けない)、熱海の隣の網代は大学生の時に短期バイトをしていた思い出の地でもある。
網代港から船を出してもらい、頭上に灰が落ちて来るほど近くで花火を見ていた時のこと。
どこからか、ペットボトルが私たちの足元に転がってきた。
別に誰かが放り投げたわけでもなく、風で転がってきたのだろう。
そう思って私は、何もせずそのままにしておいたのだけれど。
その時に彼が、そのペットボトルを拾ったのだ。
そして自分が持っていた、コンビニのビニール袋に入れた。すごく自然な流れだった。
・・・びっくりした。モルディブ人がゴミを、自分から拾ったのだから。
青年海外協力隊隊員として、モルディブで活動していた頃、私は地元の学校の教員としての仕事の他に、地域の清掃活動もしていた。
私が活動していたkeyodhooという島は、ここ数年間、モルディブ隊の語学研修地となっている島なので、毎年数回新隊員がやって来て、4週間トレーニングをする。
そこで島のポイ捨てを目にする隊員たちは、自主的に清掃活動をすることも少なくないらしい。
語学研修中に私たちも清掃活動をしたが、それは早朝の涼しい時間帯にやっていた。
地元の人たちからすれば、「いつの間にか」きれいになっている。
それどころか、きれいになったことすら、気が付いていなかったかもしれない。
そこで私は、学校での授業に、清掃活動を取り入れた。
親たちの中には、反対派もいたらしいけれど、子どもたちはゲーム感覚で取り組んでくれた。
そして夕方の港やサッカーの試合会場など、人が多く集まる場所で、わざわざ島民の目に触れるように、ゴミ拾いをした。島内放送でも、ポイ捨て禁止を呼び掛けるなどした。
そんなことをしているうちに、いつの間にか島の人々の意識も変わり。
1年が経った頃には、島民自らが港にごみ箱を設置することになり(それまで公共の場所にごみ箱はなかった)、その式典に招待された時には、ひとつの活動が実を結んだ気がした。
(詳しくは
こちらもご覧ください)
あれから数年、そんなことを忘れてしまうくらい、いそがしく日本で暮らしていたけれど。
その清掃活動は、現在地方議員として活動している彼が受け継いでくれているらしく、最近もごみ箱を新しく設置したり、ポイ捨ての禁止を呼びかけたりしていることをfbで知った。
これは今年5月頃の様子で、こうして観光客にも参加してもらいながら、エコ活動は続いている。
よく私たち隊員の活動は、「種をまくことだ」と言われる。
それに水や肥料をやり、花を咲かせ実を付けるように育てていくのは、地元の人々だと。
その活動が地域に根付かなければ、隊員が去ったらそれで終わってしまう。
彼とは清掃活動について、話し合ったことなんてないけれど。
おそらく後輩隊員の活動などもあり、彼らの意識も少しは変わって、こうして私の活動を受け継いでくれていたんだと知って、とてもうれしくなった。
彼と結婚したことでさらに繋がった、私と島やモルディブの関係。
これからどんな風に花が開き実がなるのか、楽しみになって来た。
でも100均の大量生産された安物を、大量消費してたらダメよね・・・