ちきゅう



「日本語カウントが聞こえる、南の島の体育の時間」



久しぶりにモルディブに戻って来た。
2009年から11年まで青年海外協力隊として派遣されていた島に。

これまでもちょこちょこ帰って来てはいたけれど、今回は現地の人と結婚して子どもを産んでという、違う立場での帰郷。


どんな風に迎えられるのかとちょっとドキドキしたけれど、子どもを愛するこの国の人たちは、島中が家族のように息子の帰国を喜び、我先にと抱っこしてくれる。
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環境の変化についていけない息子は、抱っこされるたびに泣いてばかり。
でも1週間ほどで慣れて、パパやおばあちゃんに預けて私はシュノーケルに・・・と遊びに行けるようにまでなった。
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そんな久しぶりの任地で、こんなことがあった。

当時私は、1から5年生までの、体育と音楽とたまに日本語のクラスを受け持ち、子どもたちに教えると共に、現地人の先生方にも指導法を伝えていた。


体育の授業では、「体育」という授業への認識がまだ定着していないので、体育着や運動靴を準備してくること、整列して順番を待つことなど、基本的なことを徹底することから始まった。

そして毎時間、みんなで声を合わせて準備体操をしていたのだけれど、その時に日本語でも数を数えながらやっていた。


久しぶりに会った元教え子・現姪っ子に、最近での授業の様子を聞いてみた日のこと。

「いま体育や音楽の授業はあるの?」
「体育だけで、音楽はないよ」
「誰が教えてるの?」
「担任の先生や、~先生」
「どんなことやっているの? 」
「ドッジボールや縄跳びや体操とか…」

「私がいたころのこと、覚えてる?」
「覚えてるよ、どの子もみんな覚えてるよ!
 準備体操の時間には、日本語でカウントしてるんだから!」


その話を聞いて、なんだかとってもうれしくなった。
未だに日本語でカウントしてくれてるなんて、思ってもみなかったよ。
あれから数年経つけれど、まだ続いてるんだなあ、私たちの活動。

もちろんこれは私の力だけでなく、その活動を引き継いでくれた後輩隊員や、その後も体育の授業を継続している現地人の先生方のおかげも大いにある。

みんなのおかげ、ありがとう。



そんなある日。
学校のすぐ隣にある夫の実家で、息子に行水をさせていた時のこと。

学校から聞こえてきたのがその、日本語のカウントだった。
冷たい水が嫌で泣いている息子を放って、運動場の壁からひょいと覗いてみると…


あの頃は1年生だった、現5年生たちの姿があった。

体育着も運動靴もちゃんと身に着けてるね。
あの時と同じように、マット運動用のゴザを砂の上に敷いて。
隣同士との距離は近いけれど、ちゃんと整列しながら準備体操をしていたのだ!

「イチ、ニイ、サン、シ、ゴー、ロク、シチ、ハチ」
と、英語のカウントの後に、日本語のカウント。
本当にみんなまだ、覚えていてくれたんだね~
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今日はまず後転の練習らしく、女性の先生(当時は10年生)が何か指示を出す。
でも子どもたちは正しいフォームがわからないので、当然上手くは回れない。

ところが先生は補助をする訳でもなく、横で突っ立っているだけ(この辺りが課題)。


今日は見ているだけにしようと思ったのに、たまらなくなって息子を抱えたまま、校庭を取り囲む壁をぐるりと回って、足は運動場に向かっていた。


「ここで見ててもいい?」とその若い先生に聞くと。
「私どうやったらいいのか分からないのよ」と困った表情。


そう言われたらもう、黙ってはいられず授業に飛び入り参加してしまう。
息子をその先生に渡して、忘れかけていた現地語で、ポイントを伝えて実技をみせる。

先生が私の拙い現地語を訂正しながら子どもたちに伝えると、子どもたちがまた、練習を始めた。


そんな風にしてると、あの時の感覚がまた蘇ってくる。
そう、こうやっているうちにだんだん出来るようになるのが、おもしろいんだよね…
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そんなにすぐには出来ないけれど。
こうやって続けることで出来るようになって。
その時の「やったあ!」って笑顔は、世界中どこでも変わらない。
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この後も別の日にも授業に参加して、ちょこっとお手伝い。
学校の先生たちも親戚なので「これからも体育の授業をやって欲しい」と言われてるんだけれど、どういう形で関わるのがいいのかなと、模索中。


私がやるのは簡単だけれど、現地の先生方を育てて、彼らだけでできるようにしないと、いつまで経っても状況は変わらないのだから。

よく協力隊の活動は「種を蒔くこと」と言われている。
そこにきっかけを作るのは私たちだけれど、そこに水をやり肥料を与え世話をして、花を咲かせて実を付けるようにするのは、現地の方々なのだ。


彼らの手で現地に根付かせることができなけれ、すぐに終わってしまう。
そう言えばあの時も、そんなことで悩んでいたなあ・・・


5年経ってもまだ同じようなところにいるような気がするけれど。
まったく同じでではない、少しは進んでいるんだから!


のんびりゆっくり、みんなで一緒に考えよう。
1人じゃできないけれど、きっとみんなでやればできるよね。
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by skr201 | 2015-09-06 23:51 | Trackback | Comments(0)
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