ちきゅう



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131日目 「KEYODHOOのスイミー」

港でも、海でも。
小さな魚の大群が、大きな魚影をつくって泳いでいる。

一匹の魚の大きさは10cmほど。
それが何千何万も集まって、巨大な魚の影をつくり出す。

一糸乱れぬ整然とした動き。
先頭が右に動けば右へ、左に動けば左へ。
一匹の大蛇のように、滑らかにうねりならが進む。
あの美しい動きは、どうやってつくりだされるのだろう。

そして突然、その大群が海面をジャンプする。
先に跳んだものに続いて、後からあとからいくつも続く、小さな魚たちの跳躍。

何のために?
一体どうやって?

泳いでいるときに一度だけ、その群れの中に入ったことがあった。
上も下も右も左も前も後ろも、透明な小さい魚に囲まれ、それはそれは不思議な世界。

小学校2年生の国語の教科書に「スイミー」という童話が載っている。
大きな魚のいたずらに困った小さな魚たちが、力を合わせて大きな魚を追い払うというお話。
小さな赤い魚が寄せ集まって大きな魚の体をつくり、一匹の黒い魚がその目となる。
主人公であるその小さな黒い魚の名前が「スイミー」と言うのだ。
そんな話をふと思い出した。

「あの魚たちはジャンプしながら、何を考えてるんだろう?」
「魚なりにきっと、楽しいんだろうね。」
海をぼーっと眺めながら、そんなことを話している私たち。

画像は、港に現れた魚たちの群れ。手前に見える黒いものが、それ。
大きな魚のように見えるでしょ?

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by skr201 | 2009-10-30 00:27 | Trackback | Comments(2)

129日目 「砂の5段活用」

石灰岩でできているこの島には、アスファルトの道路は一本もない。
白い砂とサンゴが混ざった砂利で、港も道路も学校のグラウンドもできている。

そのため裸足で歩いても痛くないし、直射日光で熱くなったコンクリートで足の裏を火傷することもない。
ただ、白い砂は日光をよく反射するらしく、日陰にいても下から日焼けする気がするけど。

それでこの砂、ただ、足元にあるものとして使うだけでなく、実に色々なことに使える。
今回はそれをちょっとご紹介。

①庭に敷く
この島の庭に芝生はない。全部この砂利なのです。
近くの島から大きな袋に入った砂を買って来て、庭に砂の山を作り、それを均して使う。
ローダマス(断食月)の前には、家中をきれいにする習慣があるので、どこの家も大量に砂を買って庭に撒いていた。
マンマたちの朝の仕事は、この庭の砂利をイロシ(ヤシの葉のほうき)で掃いてきれいにすること。
朝はイロシの軽やかな音が島に響く。

②セメントと混ぜる
住みながら家を増改築するこの島の人たち。自分たちでよく手を加えている。
当然その時によくセメントを使うんだけど、それにもこの大粒の砂利を混ぜている。
見ていると強度に問題があるようにも見えるんだけど、地震もないこの国、そんなことはマッサラ・ネイッ(問題ない)!

③タコやエイの皮をむく
タコの皮は食べないこの島の人。
どうやって皮を剥くのかというと、砂まみれにして剥く。
港やビーチでタコを地面に置いて、砂を掛けてその摩擦で皮を剥ぐのだ。これならぬるぬるしない。
タコは砂まみれだけど、白い砂なので汚い気はしない。洗えばすぐきれいになるし、生で食べるわけでもないから大丈夫!

モルディブには、「ボドゥベル」という太鼓がある。
イメージとしては、アフリカのジャンベのような感じで、叩く面が両面にあって、抱えて演奏する。
この楽器がエイの皮からできているのだ。

どこで捕まえてくるのか、大きなエイがビーチにでーんと上がっていることがある。
おじさんらが、ナイフで少しずつその皮を剥ぐ。
その時にも滑らないように砂を掛けては剥ぎ・・・を繰り返す。
きれいに剥いだ皮を乾燥させたら、出来上がり。
皮を剥いだエイは、海にポイッと捨てちゃうのだそう。何だかかわいそう・・・

画像は、①ボドゥベル(太鼓)、②エイの皮をむくベーベ(兄貴)。双子?③はい、出来上がり。これを乾かして使う

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④歯みがき
モルディブ人は砂で歯磨きをすると聞いていた。
以前ホームステイしていた家には、歯磨き用の砂が置いてあった。
でも実際に、その場面は見たことがなかった・・・・しかしついに、チャンス到来!

先日海で友だちがタコの皮むきをしているのを眺めていたら、足が不自由なおじいさん現る。
おもむろに上着を脱ぎ、ムンドゥ(パレオ)1枚で海に入っていく。
海に入る直前に、砂を一握り掴んだかと思うと、海に浸かりながらなんと、歯を磨いている!
やり方は簡単、右手の人差し指に砂をつけ、それで歯を擦っていた。私たちが歯磨きをするのと同じように。

もちろん、全員が砂で歯を磨いているわけはなく、歯ブラシと歯磨き粉を使って磨いている人もいる。
だけど、うちのバッパも砂磨きしているし、年配の人に多いのかな。

⑤マッサージ
これも、④のおじいが見せてくれた。
歯磨きと海でのエクササイズを終えたおじいは、ゆっくりと砂浜に戻って来る。
それに合わせておじいの息子さんがやって来た。
ビーチにうつ伏せになるおじい。そして息子さんは大量の砂をおじいの背中や腕に乗せていく。

砂の上から体重をかけ、ぎゅっ、ぎゅっとしっかり力を加えてマッサージしていく。
砂の感触が気持ちよさそう!海水のミネラル分も体に沁みこみそうだし。
私もやってもらいたいわ。

あー、温泉に行ってお湯にゆっくり浸かりたい!
そしてあかすりとマッサージを思う存分やって、スッキリしたい!!
水のシャワーだけだと、あんまり汚れも落ちないし、体のむくみがとれないんだよね・・・


と、こんなふうに砂にもいろいろと使い道があり、人々はそれをうまく利用して生活している。
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by skr201 | 2009-10-28 00:58 | Trackback | Comments(2)

127日目 「無人島でピクニック」

23日の金曜日、近くにある無人島までピクニックに出掛けた。
近隣の島間を往復する島民の足である小さなボートのキャプテンが、みんなでおいでと誘ってくれた。

朝早く向こうに行ったらコーヒーを沸かして、ブランチにパスタを作ろう!
前の日に材料を買い込み、鍋や調理器具を準備する。

あの島は以前に一度だけ行ったことがある。
無人島のはずなのになぜか4人のバングラディシュ人が住んでいて、突然の来客を暖かく迎えてくれた。
島の中を案内してくれて、ヤシの実ジュースや手作りのお菓子をご馳走してくれた。
葉っぱをお皿に食べたのが、子どもの頃に見た漫画のようでおもしろかったのを覚えている。
さあ、今回はどんな出来事が待ち受けているのだろう!?

約束の時間は8時。
私たち日本人は時間前に集合し買い物も済ませるが、やっぱりキャプテンは来ない。
しばらく待つが来ないので家まで向かう。
「今起きたよー」と彼。こういう時にも絶対に「ごめん」とは言わないのがモルディブ人だけど、そんなことで腹を立ててはいけなーい!

さあ気を取り直して出発。今回はキャプテンの長男(中学生)もお手伝いとして同乗。
こっちの子どもは本当によく働き、大人の言うことだってよく聞く。
船が走り始めると2歳の女の子(長女)が「私も連れてって!」と泣きながら走ってきた。
じゃあ、一緒に行こうね。

無人島までは10分ほど。有人島を2つ超えたところにある。
3ヶ月ぶりの上陸。以前あったバングラディシュ人のテントもなく、今回は本当の無人島になっていた。
島をぐるりと散策する。残念ながらここにもたくさんのペットボトルのゴミ。
みんな遊びに来て捨てて帰ってしまうのだろう。

ではまずコーヒーを飲もう。
大き目の石を台に、ヤシの枯葉を燃料に、鍋でお湯を沸かす。
火を起こすのに一苦労だったけど、こうやって外で飲むコーヒーはおいしい。
(キャプテンはコーヒーをコーラで割って飲んでいた)

「パスタは作っておくから泳いでおいで!」とキャプテン。
ではお言葉に甘えて♪と、私たち3人はシュノーケリングを楽しむ。
ビーチから数メートルほどの所で深くなっていて、サンゴや魚の種類も豊富。
なかなかきれいなポイントだった。

戻って来てパスタ作りのお手伝い。
ミルス(唐辛子)とトマトペースト、にんにく、カレーリーフ、ツナ缶を入れればなんでもおいしくなる。
細かいことは気にせずに、ワイルドにごちゃまぜにして、とりあえずパスタの完成。
真っ青な海と空と、ヤシの木と潮風のおかげで、これも美味。
やっぱりアウトドアっていいねえ!

12時からは金曜日のお祈りがあるので、それまでには帰らなければマンマに怒られるというキャプテン。
この後、帰り道のポイントでもうひと泳ぎしてから、島に帰ってきた。
キャプテン、遊んでくれてどうもありがとう。良い気分転換になったよ。

このキャプテンも、私のことをよく心配してくれる。
港で夕日を眺めているだけなのに、島の人には悩んでいるように見えるらしく、「どうしたの?うちにご飯食べにおいでよ」って、魚を焼いて誘ってくれる優しい人だ。
海に沈む夕日をきれいだなって眺めている人は、この島ではまずいないから。

島に戻ると、港では顔見知りがイカ釣りをしていた。
欲しそうな顔をしていたら、「あげるよ」と唯一の獲物をくれた。
イカ焼きにして食べたら、これがまたおいしかった。

翌日、また別口でタコ捕りに連れて行ってもらう。
獲物にはありつけなかったけど、代わりにシャコ貝を捕って、パスタを作ってご馳走したくれた。

何だかんだ言ってもこんな風に、毎日島の人にお世話になり、親切にしてもらってる。
この島のみんなのおかげで、私は日々楽しく過ごさせてもらっている。


やっぱりこの島とこの島の人たちのことが好き!!!!!


画像は、
①無人島のビーチをみんなで歩く。
 先頭を歩く青い人がキャプテン、黒いジャージはバドミントン隊員の山ちゃん。
②船をジェティーに寄せるキャプテン。これはまた別の島に行ったときのもの。

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by skr201 | 2009-10-26 00:28 | Trackback | Comments(2)

124日目 「仲間と汗をながす」

10月に入ってから、21年度2次隊の隊員がケヨドゥーにやって来た(私たちは21年度1次隊)。
この島はモルディブ隊員の語学研修島にもなっていて、毎回日本からやって来たばかりの隊員が、語学と島生活の勉強のため一ヶ月間を過ごす。

8月に仕事を始めてから、ずっと一人だったので、仲間が増えてうれしい!
3ヶ月に1回こうやって新隊員がやって来る。これもこの島ならではの楽しみのひとつだ。

しかも彼女はバドミントンのコーチなので、私ができる数少ないスポーツの一つであるバドミントンも教えてもらえるし。
そして何よりも、日本人どうしでものの感じ方、考え方を共有できるというのはとてもありがたい。

ここ数週間はテスト期間なので、私が受け持つ授業時間も普段と比べてずっと少ない。
時間があるので、同期のいない彼女の語学研修をお手伝いすると称して、午前も午後もレッスンにお邪魔している。

私たちは同期が5人いたので、「こういう意味だろう」とか「こんな言い方を耳にした」なんて、お互いに力を合わせてディベヒの謎解きに挑戦したり、情報を共有することができた。
学習量が5倍に増え、あの1ヶ月間で身に付けた能力は今振り返るとすごいなと思う。

でも彼女はひとり。
行き詰っても相談する相手もいないし、お互いに刺激しあってモチベーションを上げるというのもない。
スポーツ選手だから、自分の能力の高め方はよく知っているけど、ディベヒ語だって手強い。
事務所からは彼女に近付かないように言われているけど、なんだかんだと一緒に時間を過ごしている。

そして18日には、もう一人PC隊員がこの島にやって来た。
私の所属する学校に配属されることになったという。
ここにきて、この小さな島に日本人が3人という状態!

3人いれば力を合わせて色々なことができる。
活動の幅も飛躍的に広がるだろう。精神的にも楽になるし。
パフォーマンスとしても、1人と3人では、インパクトが全然違う。

最近では、夜8時過ぎから、バドミントンの練習に汗を流している。
現役時代は日本でも指折りのプレーヤーだったという彼女。
そんな人に教えてもらえるなんて、この島の人も幸せだ!
地元の人も交えて、遅くまで汗を流す。スポーツに言葉の壁はない。みんな楽しそう!
昼間は暑くてスポーツなんてやる気にならないけど、夜は風も涼しくなって過ごしやすい。

まあ本当にいろいろなことがあるけど、こうしてただただ汗を流すとすっきりするな。
日本人もモルディブ人も関係なく、みんなでシャトルを追いかける。
「うわー」とか「あー」とか、言葉にならない大きな音を発して、ラケットを振る。
そんなのがおもしろい。
明日もまたやろうね。

画像は今日の夕方、子どもたちと一緒につくった砂のケーキ。
太陽の光が柔らかくなる夕暮れ時には、こうやって子どもと遊んだり、ゴミを拾ったり、写真を撮ったりしてのんびり過ごす。

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by skr201 | 2009-10-23 03:08 | Trackback | Comments(4)

122日目 「島で暮らすということ」

最近困っていること。
それは、この小さな島での人間関係。

250m×500mという大きさ、人口数百人。
うそか本当か島は3つの家族で構成されているという。
まさに島民はみな家族。

人の家も出入り自由。誰かがそこでご飯をたべているなんてしょっちゅう。
よその子どもの面倒だって見るし、足りないものがあれば分け合う。
困ったことがあれば助け合うのが当たり前。
まさに「喜びも悲しみも一緒に分かち合おう」というわけ。

一見「昔の日本みたいでいいね」と思うかもしれないけど、これ、裏を返せば島にはプライベートが有り得ない。
今日はちょっと一人になりたいなー、なんてことは許されないのだ。

いつ、どこで、誰が、何をしているのか、すべてお互いに把握している。
いつも人の目がある。何か目立つことをすると、すぐに噂になる。

まあ、この「相互監視システム」のおかげで、島には事件も起こらず平和が保てているのも事実。
ここで悪いことをしたら生きていけない。すぐに村八分にされるだろう。

でも、だが、しかし。
現代日本社会で生きてきた私。
自分の時間と場所が欲しい。

先週ちょっと落ち込んでいた日があって、すぐに顔に出ちゃうもんだから、つまらなそうな顔をしていたらしい。
そしたら、もう大変。
早速夜にはホタ(喫茶店)に呼び出されて理由を聞かれる。

学校や島のことではないので、「何でもないよ」と言うが、この、「何でもない」というのが、島の人には通じない。
「悲しそうな顔をしてるんだから、何かあったに決まっている」「困っているなら、助け合うのが当然だ」
ありがとう、ありがとう...心配してくれているのは有難いのだけど、ちょっと困るなあ。

詮索はまだ続く。なかなか解放してくれない。
「自分たちにできることがあれば言って欲しい」
じゃあ今はそっとしておいて欲しい!でもさすがにそれは言えず。
もう遅いから帰るねと、その場は誤魔化す。

次の日、校長から電話がある。「何があったんだ?」
大丈夫です、もう元気になりました・・・
こんな風に、朝も昼も夜も、本当にたくさんの人に声を掛けられる。
島中が私のウワサをしているーーー!

そのまた次の日、もう一度校長から電話が。
「何かあったのに理由を言わないのは、私を信用できないからか!?」
今回はついに校長がブチ切れ、電話を切った。何なの、これ?何?

あれからもうすぐ一週間。
「キョウコは変わってしまった」「最近は人とも話さなくなった」「ボーっとしていることが多い」「一体何があったんだ?」
こんなことを毎日言われ続けている。
みなさんの目がプレッシャーなんですよ・・・分からないよね・・・
これからは毎日笑っていることにします。


人の噂も75日だったっけ?まだ当分かかるな。


画像は、内容とはまったく関係のない、インド人の先生に着せてもらったサリー。
彼女は同じ敷地内に住んでいるので、たまにこうして遊んでもらう。
ちょっと斜めなのはインド流です・・・なんかもう、だいぶ黒くなったな。

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by skr201 | 2009-10-21 02:47 | Trackback | Comments(5)

120日目 「島の人の言葉から」

最近この島の人たちと交わした言葉の中から、ちょっとうれしかったものをご紹介。

                 ※

平日は授業で子どもたちと一緒にそうじをするが、仕事のない日は夕方散歩がてらごみを拾っている。
そんな時に、同僚の旦那さんがこんな風に声を掛けてくれた。

「一人がそうじをしてもきれいにならない。みんなでそうじしなくちゃね。」

彼はマーレで働いているのだけど、やっぱり都会の人は、考え方が開けている。
そうだね、そろそろ活動を島全体に広げてもいいかも知れない。

                 ※

私の家の斜向かいに住んでいる御家族。
お子さんは1年生で私の教え子、お母さんは一緒にバドミントンやバレーをしたりと、仲良くしてもらっている。
彼女(母親)は様々なことに意識が高く、私のごみ問題にも理解を示してくれていた。

「これから毎週末に一緒にごみ拾いをしよう」

言うのは簡単、でも実行に移すのは大変。
さあ、彼女は約束を覚えているのか。
約束の時間に家を訪ねると、袋を手に準備万端。こうして彼女とは金、土曜と島をぐるりと回ってごみ拾いをした。
私たち日本人以外の島の人間が、自主的にごみ拾いに参加してくれたという意義はとても大きい。
これを皮切りに、広げていけたらいいな。

                 ※

「何かできることがあればいつでも言って。出来る限りサポートするから。」

彼らはご近所に住むご夫婦。
二人ともマーレで働いているが、島に帰ってきてきた時に、ごみ拾いをす日本人教師の話を聞いて、声を掛けてくれた。
彼らは英語ができるので、私がディベヒ語で伝えきれないことを、通訳してくれる。
アイランド・オフィスやユース・センター(どちらも島のコミュニティーの中心)と交渉するときに、一緒に来て話をしてくれた。

今は島に数個しかないゴミ箱。だから飲み食いしたものをその辺にポイ捨てしてしまう現状。
解決策のひとつとして、ゴミ箱をいくつか買ってくれることになった。
さあ、いつになることやら?

                 ※

港を散歩していると、小さな子どもたちが声を掛けてくる。
そして手には、ペットボトルや、おかしの袋のごみ。

「見て、見て、たくさん拾ったよー!」
「うわー、えらいね。ありがとう!」

うれしいけど今は、袋を持っていない。もらっても困る。
仕方ないので近くの商店で買い物袋をもらうが、こっちで買い物袋は貴重なもの。
ごみを増やすことにもなるし、良い方法ではない。
その日の夜。またその店に立ち寄ると、麻袋をくれた。

「これでごみを拾いな。これなら何度も使えるし。キョウコ用に、いつもここに置いておくから。」

お店の前の植木の横が、袋の定位置になった。
ムーサベー、ありがとう♪

                 ※

こんな僻地で一人で仕事をするのは辛いと、思うこともある。
でもこうやって、助けてくれる人たちもたくさんいる。
一人で抱え込んでも、島は変わらない。
時間をかけて、島を巻き込んで、みんなで新しいものをつくって行こう。
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by skr201 | 2009-10-19 01:21 | Trackback | Comments(5)

117日目 「かわいい子には、荷物を持たせない」

モルディブ人は、すごく子どもを可愛がると聞いていた。

だからなのか、それとも荷物が重いからか。
人にもよるけど、5年生くらいまでは、登下校する子どもの荷物を親が持つ。
子どもはというと、手ぶらで歩いているのだ。

低学年でも1日に授業が7時間あり、教科書やノートがたくさんある。
さらにノートは分厚くハードカバーで重たい。
だから、どの子もずい分大きなリュックサックを持っている。
日本のランドセルよりも、だいぶ大きい。
女の子はたいていピンク、男の子は青とか黒のものが多い。

毎日終業後は連絡事項があるので、6年生までは親御さんが学校に来ることになっている。
「それくらい自分で持って帰りなよ」
と、言いたくなってしまうんだけど、親御さんのお迎えに、みんな嬉しそう。
荷物を手渡して、今日はこんなことがあったとか、帰ったら何をするとか、話しているんだろう。
マンマたちは大きなリュックを肩に掛け、日傘を差しながら、「うんうん」と子どもの話を聞いている。

そんなふうに子どもを可愛がる島の人たちは、自分の子ではなくても、子ども見ると必ず声を掛け、時にはちょっかいを出している。
「おいで!」なんて抱っこして、そのまま散歩に行くことも。
そしてよその子でも、悪いことをすればちゃんと叱ってやる。
島の子どもは、島のみんなで育てよう、そういう意識を共有しているようだ。

家族も多く、おじいちゃん・おばあちゃん、おじさん・おばさんなど、同じ家にたくさんの人が住んでいるので、「今ちょっと忙しいから、この子見てて」「今日はお迎えに行って」など、誰かに気軽に頼める。
子どもにとっても、親だけでなく様々な年代の人たちに囲まれ、いろんなことを学べるいい環境だ。

そんな子どもを見守る温かい目が島中にあるから、親御さんは安心して、そして子どもはのびのびと、この島で暮らしていけるのだろう。

画像は私の家の隣に住むご家族。
右後ろの3年生のお姉ちゃんのリュックを、お母さんが持つ。
右下の子は妹。そして銀色の大きな日傘は、島歩きの必需品。

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by skr201 | 2009-10-16 00:10 | Trackback | Comments(0)

115日目 「鳥が消えた日」

9月25日、漁から帰ってきたバッパが、5羽のキル・ドゥーニの雛を持って帰ってきた。
まだ生まれてのようで、ふわふわで真っ白な羽毛にくるまれている。

何を食べるのかなと思ったら、こんなに小さくても魚を食べるのだという。
バッパはあじ(こっちのあじはすごく小さい)をいつものように手際よくさばき、一口大にすると、一羽ずつ食べさせた。
どの子もピーピー鳴きながら口を大きく開け、食欲旺盛。
いっぱい食べて大きくなるんだよ。
やっぱり生き物を飼うっていいなあ。癒されるというか。

5羽の雛は日に日に大きくなる。
夜寝ているうちに大きくなるのか、毎朝見るたびにびっくりするくらい大きくなっている。
こうなると5羽を一緒に飼うのは難しいので、2羽だけ残してあとの3羽はご近所さんにもらわれて行った。

最近では、散歩がてら庭に放してやると、羽をはばたかせ飛ぶ練習をしていた。
まだまだ「飛ぶ」までは行かないけど、何度もジャンプしながら空を浮く感覚を確かめているよう。
まだ小さい体だけど、羽はしっかりと鳥らしく成長していて、両方の羽を広げるとずい分と大きい。
そんな姿を見ると、いつか空に飛び立つ日を楽しみに想像した。

そして今日。
庭のキル・ドーゥニはいつものように、私の部屋のすぐ外で、さえずっている。
夜は猫が来るので、大家さんの家の中に入れているが、昼間はこうして外に出していた。
日々の観察記録に、今日も写真を撮った。

PC作業の合間に、洗濯物を干そうと外に出ると、1羽しかいない。
あちこち探すが見当たらない。
どこに行ったんだろう。

学校に行く時間になり、とりあえず向かう。
いなくなった鳥の話を友だちとしていたその直後、校庭に白い鳥の死骸があるのを見つけた。
認めたくはないけれど、あの大きさからいって、ウチで飼っていたあの子だろう。
カラスに連れて行かれたようだ。

さっきまで元気にさえずっていたのに。
大きな口を開けて、えさを催促していたのにね。

やっぱり「死」って、まだよく分からないなあ。
これまで繋がってきた「生」が突然、断ち切られてしまう。
羽と足だけになった鳥を眺めて、しばらく呆然とする。

残りの1羽は、さみしいだろうからと、先日もらわれて行った3羽の兄弟のもとへ行った。
これで私の鳥の話はおしまい。
他のみんなは無事に大きくなってね。

画像は、
①初めてウチにやってきた日(9月25日)。5羽の小さな雛だった。
②10月13日の午前中に撮った最後の写真。「おなかが減った」と鳴いている。
③こんな日の夕焼けは心に染みるなあ...(涙)。波がなく滑らかな水面に波紋をつくった。

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by skr201 | 2009-10-14 01:11 | Trackback | Comments(5)

113日目 「タコ捕り名人への道」

この島は本当に海がきれい。
私のお気に入りの場所は、水深1mくらいのさんご礁のリーフが30メートルくらい続いていて、その向こうが深くなっている。
このリーフエッジに沿って泳いでいると、実にたくさんの魚をみることができる。

うだるような暑さの日でも、海の中は青く静かでひんやりと冷たい。
太陽の光の帯が、まっすぐに青の世界を照らし、何とも幻想的。
色鮮やかな魚たちが舞うように泳ぐ。
私の横をすうっと通り過ぎる魚たちの群れ。一糸乱れぬ滑らかな動きが美しい。

目に映るのは青に支配された世界、耳にするのは自分の呼吸音と海の住民が作り出すわずかな音、そして全身で感じる水の圧力と温度。
ここはまさに、「青」と「静」と「冷」の空間。
この中にしばらく浸かっていると、頭の中がすっきりとする。

魚の他には、エイ、カメ、イセエビ、タコ、サメ、そしてイルカなどが見られる。
今日は何に出会えるのか、毎回楽しみに泳ぐ。

島の人はというと、これがあまり泳がない。
泳ぎ方が分からないから、怖いのだという。
スイミングプールがないので(国に1つしかない)、練習する場がないのだ。
だから、こんなに素敵な世界が海の中に広がっていることを、知らない人もいるんだろうな。

でも最近は、毎週のように泳いでいる私に、「一緒に泳ぎたい」と声を掛けてくれる人も出てきた。
泳ぐのは怖いけど、誰かと一緒ならやってみたいそう。
女の人はブルガをしながら泳ぐのでスイスイと泳ぐのは難しいけれど、これで泳ぐということも普及できるといいな。

それで私はというと、魚を見るだけでは物足りず、獲物を捕りたいという欲が出てきた。
モルディブに来て3ヶ月、魚はたくさん食べたけれど、タコやエビはまだ一度も食べていない。
ならばタコ取りに出掛けようと、名人に同行をお願いした。

1日目、名人は銛を手に岩の下を覗いては突き・・・を試みるが、なかなか獲物は捕まらない。
私は途中で飽きてしまい一人で遊んでいたが、名人は1時間以上も格闘をしていた。
結局、この日はこれで終了。午後はあまりいないのか。
午前中に名人が捕ったという2匹のたこをご馳走になり、気が済む。

2日目。今回は午前中に試みる。
しかし約束の時間に名人が来ない。まだ寝ているのだそう。こんなことはよくある。
しばらく待っていたら起きてくれた。ナイス名人♪
銛を友だちに借りに行き、今日は漁場を変えて、港に向かう。

海に入るといきなり、ウミガメ発見。右の前足が不自由で動かせないようだ。
名人によると友だちなんだそうで、近づいても逃げない。
彼はカメの甲羅についた汚れを、軍手をした手で撫でてやり掃除していた。
甲羅を掴むとカメがもがくので、そのまま一緒に泳いで行ける。おもしろい!

しかし、肝心のタコの方はというと、今回も空振りなようで見当たらない。
イルカが向こうでジャンプする。追いかけるがとても追いつかない。
そんな時に救世主現る。

どこかの島から来たという若い男の子が遠くで「タコがいるよ」と叫んだかと思うと、すでに格闘を開始していた。
近くまで行くと辺り一面タコの吐いた墨で黒くなっている。
捕まえたタコを水面で何度も叩き気絶させると、墨の袋と余分な部分を手際よくもぎ取る。
作業しながら私たちの事情を聞くと、憐れな二人組にタコの頭をくるりと裏返して差し出した。
(こうすると持ち運びがしやすくなる)

という訳で、今回は優しい海人にタコを恵んでもらい終了。
早速生で食べようかと思ったけれども、ぬるぬる&こりこりで切れないので、とりあえず丸ごとゆでた。
半分は先日日本から送ってもらったピエトロのドレッシングで野菜と一緒にサラダ風に和える。
これはまずい訳がない!
もう半分は、にんにくとカレーパウダーで炒めた。これもおいしい!

でも、この島の人は、タコはあまり食べない。
見た目が気持ち悪いのだという。
若い人は食べる人もいるけど、皮をむく。砂まみれにしてむく。
皮付きはこれがまた、気持ち悪いのだそう。

そんなこんなで、あまり評判のよくないタコだけど、外国文化を受け入れられる人たちと一緒に食べた。
次回はぜひ、自分の手で仕留めたいなあ。

ちなみのこの名人、実は島のバドミントン協会の会長で、夜はまたこの人と、バドミントンをして遊んだのでした。


画像は、とりあえず丸ごとゆでたタコ。
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by skr201 | 2009-10-12 16:26 | Trackback | Comments(5)

110日目 「TEACHER'S DAY」

モルディブでは、毎年10月の5日は、Teacher's dayとされている。
子どもや親御さんが日ごろお世話になっている先生たちに感謝の意を表す。
そして先生たちは、その職責を改めて実感し、襟を正す日。

学校では子どもたちが、"Happy Teacher's day!"と握手をしながら、カードやプレゼントを手渡してくれた。
誰か他の人に作ってもらったようなステキなカードや、バナナやオレンジ、使い古しの鉛筆などもあったりして、思わずくすっと笑ってしまう。
でも、普段はやんちゃで手を焼かせるあの子たちからプレゼントをもらうなんて、うれしいな。

ここでは女性の先生のことは、「~(名前)、Miss」と呼ぶが、私のことはみんな、「キョーコ!」と呼び捨てしていて、友達感覚のよう。
でも先生の日にお祝いしてくれるんだから、私のこともちゃんと先生だと思ってるのね。

平日最後日の8日木曜日には、ちょっとしたイベントが企画されている。
毎朝行われる朝礼が、最上級生である10年生によって執り行われ、先生たちへの感謝のスピーチやプレゼントの贈呈などがあった。
短縮授業で午前中には勉強は終了。
午後は先生たちを主役にしたディベート、クイズ、ヘディカの大食い大会、ヤシの実削り競争など、普段は怖い顔をしている先生たちも、今日は子どもにかえってゲームを楽しんでいた。

会の終わりには、1~3年生の親御さんが用意してくれたヘディカとお茶でちょっとしたサーボーンパーティー。
そして夜には8年生主催の持ち寄りパーティー。
ここ数日間は各学年がパーティーを行って、日頃の労をねぎらってくれる。

こんなふうに、改めて先生に「ありがとう」って感謝する日ってのも、いいもんだなと思う。
普段はなかなか、先生のありがたみななんて考えもしないもんね。

そんなイベントの最中、3年生の女の子たちが私の所にやってきた。
「なわとびやってもいい?キョーコと一緒にやりたいんだけど。」

縄跳びって結構練習が必要だから、この子たちには難しいかなと思ってた。
いつもすぐに飽きてしまうし、学習カードを作っても、「全部終わった」って嘘をついて記録を書いていたあの子たち。
でも、意外と興味があるんだね。いいよ、もちろん、やろう、やろう♪

先生たちのバレーボール大会の横で、子どもたちと縄跳びを始めた。
短縄でかけっこができるようになった子は、「見て!見て!」とうるさいくらい。
すごい、すごいよ!この前はできなかったのにね。

長縄は日本のように、みんなで回数を合計するのは難しいので、まずは一人で何回跳べるか数える。
体育の時間には、1回、3回、5回、なんていうレベルだったのに、いつの間にかずい分とべるようになったね。
ある女の子はなんと、今日は100回なんていう新記録を出した。

私が受け持っている1~5年生の他にも、小さな子から高学年の子まで、気が付くと長縄の前には、長蛇の列ができている。
「もっと早く回して」「私は遅い方がいい」なんて、注文まで飛び交うようになった。
こんなふうにして、日の入りのバンギ(お祈り)が流れるまで、縄跳びの練習は続いた。

最後まで残った2年生の男の子。
片付けられずに置きっぱなしになった縄跳びを、一人で拾い集めている。
しかもこの前教えた通りに、1つずつきちんと結んでいた。

すばらしい!
君は縄を跳ぶことの他にも大事なことを学んで、それを実行しているんだね。

やっぱり人間は日々学習し、成長できる。

画像は、
①子どもたちにもらったカードやプレゼント
②10年生によって行われたいつもとは雰囲気の違う朝礼
③ドレスアップしておめかしした1年生の女の子たち。これ全部手作りなのです!

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by skr201 | 2009-10-09 04:09 | Trackback | Comments(3)


モルディブでの島生活  +日本での日々の記録    -under the same SKY-
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