ちきゅう



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435日目 「やっぱり我が家がいちばん」

島に戻って来た。

わずか一週間のご無沙汰だけれども。
何だか懐かしい。
そして安心する、この「のんびりとして」「きれいな」空気。

港で出迎えてくれた子どもたちの、はにかんだ笑顔。
そうそう、何だか照れくさいよね。

「今日くらいはウチでご飯食べなよ」って、気遣ってくれる大家さん。
すみません、じゃあ、お言葉に甘えて・・・

「長旅で疲れてるでしょ。今日はウチにおいでよ」って、電話をくれたSofoora。
もうご飯食べちゃったから、明日の夜に行ってもいい?

「マーレから帰ってきた日にはウチに来なって言ったのに、何で来ないの!?」
って、口を尖らせて怒るAtifa。
ごめん、すっかり忘れてた。
じゃあ少し分けてもらって家に持って帰るよ。
明日の朝ごはんにするね。

「最近ちっとも見ないけど、どうしたの?」
「マーレに行ってて、帰ってきたところ。」
そんなやりとりを、もう何回したかな・・・。

私は断食していないのに、ローダ・ヴィッラー(断食開けの食事会)に呼んでくれる。
解禁の時間前に「喉渇いたでしょ」って、自分はさておき、ジュースを出してくれるおばさん。
断食するみなさんを尻目にゴクリ。

きゅうり(島では入手困難)を手にしたおばさんに、「どこで買ったの?」って尋ねたら、「欲しいの?」って分けてくれた。
マーレにいる家族がわざわざ送ってくれたっていうのにね。

こんな風にみなさんに支えられて成り立つ島生活。
やっぱり我が家がいちばん。
いつもどうもありがとう。

私にできるのはこれくらいだから・・・と、毎回上京するたびに、写真を現像する。
今回も全部で150枚くらい。値段にして約500Rf(4,000円)。
みんなが喜んでくれるから、私もうれしいよ。

子どもたちは相変わらず、私の部屋のドアを力任せに叩く。
こんなのがひっきりなしに続くから、昼寝だって中断されちゃう。

「UNO貸して!」
「バドミントンのラケット貸して!」
「スパーリちょうだい!」
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(スパーリとはBetel Nutsの実を乾燥させて細かくして甘く味付けしたもの。モルディブ人は、みんなこれが大好き。)

年頃の女の子たちは、部屋に乗り込んできてメイクアップ。
私の化粧道具を勝手に使って、顔にお絵描き。

そして砂だらけの足でベッドに上がっては、その横にある写真を眺めて・・・
だから私のベッドはいつも、砂まみれ。
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こんな島生活も、なかなか良いよね。
この平和な時間が続くのも、あと7ヶ月を切った。
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by skr201 | 2010-08-31 03:35 | Trackback | Comments(0)

433日目 「ひとりじゃがんばれない」

29日の日曜日、一週間ぶりに島へ帰る。
ちょうどそろそろ島が恋しくなってきた頃。
あの何にもない島で、ゆっくりのんびり風に吹かれたいなって。

今回の上京の目的は、「体育分科会」という学校体育を担当する隊員が集う会に参加するため。
日頃の活動の情報交換のほか、この国が抱える学校体育の諸問題について話し合い、改善策を学校や教育省に提案したりする。

以前にもこの種の会はあったらしいが、いつの間にか消滅していた。
最近はモルディブ隊も体育隊員が増えてきて、情報の共有や蓄積の必要性から、久々に復活したという訳。

この国を構成する小さな島々。
それは大きな海に囲まれている。
だから、人もモノも情報も、交流が難しい。伝わらない。

体育だけでなく、学校教育も、島や学校によってバラバラで、統一されていない。
その島でできることを、できる範囲でやっているという感じ。
「教育の機会均等」という考え方がないのだ。

そんな「不均衡」を、少しでもなくせれば。

体育の授業と言えば、未だに1年中鬼ごっこという学校も少なくない。
この国の子どもたちに、一人でも多く、体育のおもしろさを伝えたい。
そんなことから始まった、この会。

地方島には、一人で派遣される。
小さな島の小さな社会に、日本人がひとり。

ひとりで活動をする不安。
活動の「相手」はいるんだけれど、「仲間」とはまた違う。
「これでいいのかな」と悩む毎日。

そんなときに。
こうやって同じような問題に直面して共に考えられる仲間がいることの心強さ。
これが今後の活動の、大きな糧となる。

こういう機会は、とても貴重なもの。
だから定期的にもてたなら良いんだけれど。

モルディブ隊には「3ヶ月ルール」というものがある。
赴任して3ヶ月は、任地から離れてはいけないというもの。
その目的は、「任地に親しむため」だとか。

だから今回の体育分科会も、赴任したばかりの22年度1次隊は参加できなかった。
でも今いちばん苦労しているのは、彼らなんじゃないかと思う。

苦労することも経験。
苦労することも活動。

そうやってストイックにがんばることは、いかにも日本的でも褒められそうなことだけれども。
もっと肩の力を抜いてもいいんじゃないかなって思う。

「2年間みっちり活動だけに打ち込みなさい」??
私たちも生身の人間だから、気分が上がったり下がったり、そんなことの繰り返しの毎日。
時には息抜きだって必要でしょう。

なにごともメリハリが大事。
上手に気分転換して、また明日からの活動に励む。

首都で仲間に会って、一緒に時間を過ごして。
さあ任地でもがんばろうって。

そんな考えは、「甘い」と一蹴されてしまうんだろうか。


*   *   *   *   *


27日にそんな体育部会のメンバーと、月の出を見に行った。
ちょうど20時。
月齢17.2のオレンジ色の月が、水平線上の雲の中から顔を出した。

相変わらずカメラはないので、代わりに体育分科会会長が撮った傑作を。
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そしてこれが、久々にお箸を使う会長。
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まだまだ負けないと思っていたけれど。
写真分科会会長の座も奪われたかもね・・・
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by skr201 | 2010-08-29 04:10 | Trackback | Comments(6)

431日目 「カメラがこわれて」

8月のはじめ頃、カメラが壊れた。

防水カメラのはずなのに。
海に入れたら内部に水が入って。

ちょうどその時に島に遊びに来ていた、OG隊員に日本に持ち帰ってもらった。
欠陥商品だったのか、無償修理してくれるとのこと。

おかげで最近の記録はすべてケータイのカメラで。
画質が悪いし、まったく困っちゃう。
海の中の思い出もないしね・・・

授業や活動の記録に、どうしてもカメラが必要なことがある。
そんなときは、島の人がカメラを貸してくれる。

壊されたり、無くされたりしそうで、私は島の人に貸さないけれど。
島の人は「いいよ」って貸してくれる。
「大事に使ってね」とか、「早く返してね」とか、そんなことは何も言わずに。

「足りないならみんなで使えばいいじゃない」
そんなことが、当たり前のこの島。


「奪い合えば足りぬ。分け合えば余る」
そんな言葉、どかかで聞いたな・・・


そんなふうに、いつも島の人にお世話になっている、わたし。
みなさんに支えられて、なんとか生活できています。

ケータイカメラで撮った作品を。
10年生の子がかいた、ビーチ・アート。
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by skr201 | 2010-08-27 16:56 | Trackback | Comments(0)

429日目 「マーレの生活」

21日土曜日に上京して数日。

ここのところマーレに来ると毎回、頭痛に悩まされる。
この排気ガスが充満した空気や、多すぎる人や車、そしてたくさんのビル。
あんな僻地で暮らしていると、こんな都会的なものに頭痛を覚えるようになるみたい。

今日はだいぶラクになった。
5日目にして適応できたよう。
こんなふうにして日本社会にも、徐々に復帰していくんだろうな。
あと数ヵ月後。

ここ数日間は、買い物をしたり、ダイビングをしたりと休暇を楽しんだ。

島のみんなから頼まれた画像を現像。
島では買えないトリートメントや日焼け止めを購入。

中でも去年末にライセンスを取ったっきり潜る機会のなかったダイビングは、都会ならではの遊び。

タイマイに出会って甲羅の藻を掃除した。
マンタに遭遇して一緒に泳いだ。
初めて見たアオウミガメは大きくてまるまると太っていた。

そして、見たこともないくらいたくさんのテーブル珊瑚。
赤や黄色の珊瑚に彩られた竜宮城のような岩や洞窟。

どれもこれもステキな青の世界。
静かで冷たい海の中には、自分の呼吸音だけが響く。
視覚はより研ぎ澄まされて、地上にはない色々の競演が目に眩しい。

ここで紹介できればいいのだけれど、カメラが壊れてしまい日本へ返送中・・・
同行した隊員に撮ってもらった写真を載せさせてもらう。

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モルディブ人はこんな風に船の先頭に立つのが好き。
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2人の海人が、小さなボートでカジキマグロを釣り上げる瞬間を目撃。
ダイブボートのキャプテンが500Rf(約4,000円)でお買い上げ。
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数々のステキな写真を提供してくれた、名カメラマンの体育隊員。
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私の身長より大きい、このカジキ。
2mくらいあったよね。

*     *     *     *     *

24日は月齢14.2
25日は15.2。

どちらの日もいつものように月の観察に行くも、雲がどんよりと空を覆い見えず。
最近は満月と天候の相性が悪い。
次に月夜を満喫できるのは、いつになるかな・・・

マーレは狭いと言えども、日の入りと月の出の観察は大変。
島なら2,3分動けばどちらも見えるけれども。
マーレでは西の端から東の端まで、ぐーんと移動しなくちゃいけない。
歩いて20分くらいかな。島人には遠いなって感じる距離。

月は見えなかったけれども。
東のビーチでワニを見つけた。
こんな所にも、アートだね♪
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by skr201 | 2010-08-25 23:01 | Trackback | Comments(0)

427日目 「ダストビン(ゴミ箱)・ボーイ」

10年生の男の子。
あだ名はカプチーノ。
私がこの島に赴任してきた頃、よく「クワトロ・カプチーノ!」(カプチーノ4つ/イタリア語)と声を掛けてくれた。
だからあだ名がカプチーノ。

彼はいわゆる、教室では「席に座っていられない子」。
集中して学習を持続するのは難しい。

そんな彼がある日、こんなことを言ってきた。
「オレの名前は今日から"DUST BIN BOY"だ。ゴミを拾って、捨てに行こう!」

またおもしろいこと言ってるけど、どうせ冗談でしょって、受け流していたのだけれど。

その日の夕方、港を歩く私の前に、自転車に乗ったカプチーノが颯爽と登場した。
「オレはDUST BIN BOYだ!」って言いながら、コーラのペットボトルを拾ってゴミ箱に入れる。
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どうやら本気らしい。
ならば気になっていた海に浮かぶゴミを、一緒に拾ってもらおう。

カプチーノ改めダストビン・ボーイをまくしたて、港の隅っこ・ゴミ溜まりへ。
ちょうど柄の長い網もそこにあったので、早速ゴミ拾い開始。

ペットボトル、瓶、木々、スイカ、スプレー缶、ビーチサンダル・・・・
どれも海水を含んで重たくなっている。
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私の方が明らかに体格がいいけれど、そこは男の子。
「キョウコはそこで見ておけ」と、張り切るダストビン・ボーイ。

「がんばれ!」って応援しながらケータイで写真を撮る。
「オレは今、SUPER DUST BIN BOYになったー!!!」

ほんと、この子おもしろいな。
その言葉のセンスと機動力が素晴らしい。

そのうちに、弟も登場。
弟もやはり学校では、先生に怒られてよく外に立たされている。
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疲れたお兄ちゃんと交代して、ゴミ拾いの網を手にする。
そして発した言葉は・・・

「オレはSUPER CHALLENGERだー!」

兄弟揃ってさすがです。
何もかも楽しんじゃおうっていう、ノリの良さ。
君たちのそんなところが、先生はたまらなく好きです。

ゴミ拾いだってゲームのように楽しめば、おもしろい。

バンギが鳴ったので2人は急いで帰る。
最後に取り残しのゴミを私が拾って、終了。

しばらくここで乾かして、軽くなったら捨てに行こう。
今度はバロー(手押し車)を持って来ようね。

「"DUST BIN BOY"っていう、名札作ってよ。これから毎回手伝うから!」と彼。
いいよいいよ、作ってあげる。

これが続くといいんだけどな。
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by skr201 | 2010-08-23 00:05 | Trackback | Comments(0)

425日目 「ローダ・ヴィッラ」

マウリブ・ナマードゥ(日の入りのお祈り)の始まりを告げるバンキ。
それは断食が解禁される合図。
今ならば18時20分過ぎかな。

最初に口にするのは、「ファニ」と呼ばれるあまーいフルーツジュースと、「カドゥル」と呼ばれるナツメヤシを乾燥させたもの。
その後には、各家で手作りをしたヘディカ(甘口辛口様々なお茶菓子)や焼き魚などのご馳走でお腹を膨らませる。

もうすぐバンキが鳴る頃には、魚が焼ける香ばしい匂いを風が運んで来る。
でも、島中すべての家が魚を手に入れられるわけではない。
魚はやっぱりご馳走。
親戚の家に集まってみんなで分けて食べる。
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ヘディカも数多くを作るのは大変なので、多目に用意してみんなで物々交換。
そうすれば食卓に、たくさんの種類が並ぶ。
だからこんな風にして、子どもたちはヘディカ配達ため島中をウロウロ。
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この島で断食をしていないのは、クリスチャンもしくはヒンドゥー教徒であるインド人教師や看護師と、日本人の私のみ。

バングラディシュ人労働者も、小さな子どもも、みんながんばっている。
小学1年生だって、数日は挑戦している。

断食をすることは、一人前のイスラム教徒であるということ。
断食をすることは、かっこいい。
「何日断食したの?」という問いに、「もちろん全部だ!」と答えることに、子どもたちは憧れる。

私が断食をしていないことはみんな知っている。
なのに、ローダ・ヴィッラと呼ばれる断食明けの食事に、飽きもせず毎日呼んでくれる。

ミスキーの前でも、イスラム教徒のみなさんに施しを受ける。
今日はバナナを入れたドンケヨ・ファニ。
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1年生のイーマンと5年生のアッザームの家。
毎晩UNOやトランプをしながら、ヘディカを頂く。
こんな風に、座席カードも用意してくれて。
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ラマダンにあわせて台所を新築したマニック先生のお宅。
ピザなんてオシャレなものが出てきた。
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共に断食をがんばったもの同士が、称えあって食卓を囲む。
恵まれない者の境遇を知ることが、断食の目的だとか。
「苦しみも喜びも共に」って、そんな感じなのかな。

そんなところに混ぜてもらうのは、ちょっと悪い気もする。
だけど、そんな小さなことは気にしない、大きなあったかーい人たち。

「みんなで食べたら楽しいから、また明日も来てね」って。
そんな言葉に甘えて、また明日も行っちゃうのよね。

*     *     *     *     *

21日土曜日から29日まで、上京します。
Second termの前半が終わったので、学校はタームホリデー。
マーレでちょっとリフレッシュをして、後半戦に備えまーす♪
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by skr201 | 2010-08-21 04:00 | Trackback | Comments(0)

424日目 「ピックアップ」

19日の夕焼けは、とてもきれいだった。
大きくてまん丸でオレンジ色の太陽が、水平線にちゃぽーんと落ちていった。
ここ数ヶ月で一番の美しさだったかな。

子どもたちと一緒に港のゴミ拾いをしていたので、ゆっくり楽しめなかったのが残念だけど。
ゴミ箱設置に触発されて、突如にして湧き起こったあの子たちの「やる気」。
こんなチャンスは、次いつやってくるかわからないからとことんお付き合いするしかない!

そんな子どもたちが家に帰り、ひと気の無くなった島。
暗くなり行く空に現れたのは、月。
それは、25日の満月に向けてだんだんと膨らんでいく半月。

もうずい分と月齢を増した月の光が、明るくビーチを照らす。
そんなハンドゥ・ファリ(月光)の下で、のんびりと過ごせる時期がまたやってきた。

きらきら光る月明かりの下。
少しずつ濃紺に染まっていく空に、かすかにオレンジ色が残る。
星たちは遠慮がちに瞬いて。
聞こえるのは波と風の音だけ。

こんな風に夕焼けや夜空をゆっくりと眺められる時間が、人生でどれだけあるんだろう。
ゴールが見えてきたこの島での活動。
ここを出なくちゃいけないのは、やっぱりさみしい・・・
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(ケータイのカメラでは美しさが伝えきれず残念。左端に何とか金星が収まった。)


さてさて。

前回ゴミの話の中で、さらっと書いたけれども。
この島に、2台目の車が登場した。

自家用車というものがないこの国では、荷物を運ぶ「ピックアップ」と呼ばれる車がある。
日本で言う軽トラックのようなもの。
2,3人の移動で荷物がなければタクシーだけれども、大人数になれば大きなピックアップの荷台にみんなで乗る。

この国に赴任してきたときも、空港島からマーレに船で着いて、最初に乗ったのがピックアップだった。
荷台に荷物を載せて、ついでに人も乗って。
道交法がこの国にあるのかわからないけれど、違反ではないらしい。

我が島ケヨドゥーの車といえば、以前は救急車が1台のみ。
バイクもないし。
あるのは自転車のみ。
病人の移送はもちろん、荷物を運んだりもこれがしていた。
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あれは確か7月後半。
マルカズにピックアップが現れた。
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"RAHVHEHI CLUB"(マルカズを運営している組織の名前)と書かれている。

このピックアップの仕事は、もちろん荷物運び。
週に1回首都から貨物船が運んでくる荷物を、各家や商店に運ぶ。
といっても、週に1回なわけで。

でも最近、毎日何回も、すごい勢いで島を周回するピックアップを見かける。
島の狭い道を猛スピードで走り抜ける車は、かなりの恐怖。
事故にならないといいけど・・・
その音もすごいので、家の中にいても分かる。

そんなに急いで何をしているのかと言うと・・・

子どもたちを乗せて、走り回っているのだ。
どこに行くわけでも無く、ただ島内を何周もする。

車が珍しいこの島では、車に乗ることもひとつの娯楽。
まるでジェットコースターに乗るように、そのスピードとスリルを楽しむのだ。

子どもたちは絶叫!
まさにアトラクションを楽しむように「キャー!!」という悲鳴?歓声?が島に響き渡る。

1回30Rf(240円くらい)だそう。
1回につき、十数人は乗せてるよね・・・

うーん、これは結構いい仕事じゃないですかっ!
その集まったお金で、ゴミ箱をいくつか追加して欲しいものです。
ゴミ箱はひとつ1,550Rfだから、52人乗せればペイできる。
もうずい分貯まったでしょ。

毎日遊べ、子どもたち!
イッラベー(運転手さん)、安全運転でね。
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by skr201 | 2010-08-20 00:11 | Trackback | Comments(0)

422日目 「ごみ問題ちょっと前進」

「寝坊しました」と言って遅刻してくる子ども。
「寝坊しちゃった」って欠勤する先生。

いつもゆるいこの島が、さらにゆるーくなるラマダンが始まって早一週間。
日中断食するため、日の出のお祈りの前に食事を摂る。
それが午前3時か4時くらい。
それからもう一度寝る(人もいる)ので、ついつい寝過ごしてしまうというわけ。

私も週に22時間だった持ち時間が16時間になった。
各学年週に2時間の体育が1時間に減った。授業も30分の短縮授業になる。
子どもたちも飲まず食わずなので、もちろん激しい運動は禁物。
室内で簡単なゲームなどをしてやり過ごす。

つまり仕事が減った。
内容も簡素化した。
なんかモチベーションも下がっちゃうな・・・そんな今日この頃だったけれども。

とってもうれしいことがあった!!!!!

土曜日に上京するため、船のチケットを予約しにアイランド・オフィスに行ったときのこと。
マルカズ(Social Center)の上役も兼ねるある職員に声を掛けられた。

「今日の夕方、港にゴミ箱を設置するよ。キョウコにもゲストとして来て欲しいんだ!」

そういえば、ずい分前から言ってたよね。
ゴミ箱を買うとか、予約したとか、運んでくるとか・・・
それがいよいよ実現されるのかしら・・・?
まだあんまりピンとこない。

時間は後で知らせるということなので、いったん家に帰る。
するとご丁寧に招待状が届いた。

午後4時半、港に向かう。
すでにピックアップトラックの荷台には、立派なゴミ箱が3台積まれていた。
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"... to keep our harbour area clean"と書いてある。
港だけの問題じゃないですけど・・・

ゲストであるイタリア人御夫婦が、みなさんを待たせて登場。
そこで今回の主催者である、マルカズの上役の挨拶。
「いずれはもっとたくさん設置したい」「みんなが使ってくれるといい」なんてことを言っている。
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(真ん中で腕を組んでサングラスをかけている人)

ゴミ箱は全部で3つ。
まず1つ目は、イタリア人のご夫妻が設置。
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次に2つ目は、イスラム教関係の偉い人。
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そして最後の3つ目は・・・
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私が設置させて頂きました!
副島長と一緒に。

これはうれしかったなあ。
ゴミ箱の話なんて、私はもう半分諦めていたけれど。

アイランド・オフィスとマルカズの職員さんたちは、覚えてくれていたんだ。
何をするにも日本のようにはスムーズには行かないから、ゴミ箱3つ揃えるのに1年もかかったけれどね・・・

それでも大きな一歩だよね。

イタリア人富豪が買ってあげたものでもなく、JICAや日本政府の支援でもなく、島の人たちが自分たちで購入したということ。
「この島に必要だ」って判断して、自分たちで手に入れたということ。

「ゴミはいつ誰が捨てに行くの?」って、ちょっと意地悪く聞いてみた。
「僕らがピックアップ(トラック)で捨てに行くよ」と自信満々に答えてくれた、先のアイランド・オフィスの職員。
うーん。頼もしいお答え。

ゴミ箱を設置したは良いけど、誰もゴミを捨てに行かずゴミ箱がゴミに・・・なんてことには、なにませんように。

1年前に置かれたゴミ箱。
赤道直下の太陽は、プラスチックもダメにする。
オレンジ色がいつの間にか白色に褪せ、蓋が割れてしまった。
これじゃあ雨水が入ってしまい使い物にならない。
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波が運んでくるゴミ。
港の隅にはいつも、こんなゴミ溜まりが。
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実は最近ちょっと、行き詰ってたごみ問題。
やっぱり1人だと、しんどいなあって・・・
「どうせみんな興味ないんでしょ」って思ってた。

私にとやかく言われてるだけじゃ、何も変わらない。
自分たちで「何とかしなくちゃ」って思わないと。

そんな「何とかしなくちゃ」という思いが、少しでもこの島にあるんだって、今日改めて感じられた。
そんな人たちをうまく巻き込んだら、もう少し前に進めるかもしれない。

私に残された時間は、あとわずか7ヶ月。
どこまで持っていけるだろうか。

焦らずに、でも確実に、少しずつ。
ゴミのないきれいなケヨドゥーを目指して。

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やっぱり「ゴミ箱のある風景」っていいなあ。
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by skr201 | 2010-08-18 04:01 | Trackback | Comments(10)

421日目 「8月15日」

65回目の終戦記念日を、モルディブの小さな島で迎えた。

日本時間の正午にあたる午前8時。
ラマダン中は勤務時間が8時半から13時なので、まだ家に居る時間。
ひとりで黙祷をした。

「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」

これは、広島の平和記念公園にある、原爆死没者慰霊碑の石室に書いてある言葉。
いつか見に行って以来、ずっしりと重く、心に残る言葉だ。
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(写真中央部が碑文)

この言葉に対しては、様々な論争があるらしい。
「主語はいったい誰なのか」と。

現在では、「広く人類全体」を主語とするということが公式見解になっているという(Wikipediaより)。

原爆を落としたアメリカ合衆国ではなく。
落とされた広島・長崎の人々でもなく。
あの恐ろしく悲しい出来事が、この地球上で二度と起こらないように、世界人類の誓いなのだと。

ヒロシマ・ナガサキについては、こっちでもよく知られている。
日本のことはよく知らないけれど、原爆については聞いたことがあるというのだ。

特に、インド人の先生たちは興味があるらしい。

私が3月に日本に帰国したときにも、社会科を教えるインド人の先生に、原爆について解説したDVDを買ってくるように頼まれた。

8月6日にも、9日にも、そして15日も、声を掛けてくれた。
「今日は広島の日だね」「長崎の日だね」「終戦の日だね」と。

1945年の8月15日は、インドがイギリスの植民地支配から独立した日でもあり、彼らにとっても重要な意味を持つのだという。

毎年12月に首都マーレで、「日本・モルディブフェスティバル」というイベントを開催している。
日本文化の紹介を通して、両国の交流や親睦を深めようというもの。
去年はよさこいソーランを踊ったり、環境やドラッグ問題をテーマにした劇(浦島太朗のパロディ)を上演したり、日本食・ゆかた・習字・日本の遊びなどの体験ブースを設置したりした。

そのイベントで、今年は「原爆展」を開催しようという案が出ている。
広島市は、被爆体験を次世代や国内外を伝えるため、資料の貸し出しに応じてくれるのだという。

他の国の隊員が、原爆展を開催したという話を以前に聞いた。
そこでも関心は高く、予想以上の反応があったという。

私は教科書やメディアを通した程度の知識しかない。
原爆について「知る」ために、広島にも長崎にも行ったけれども、「知っている」なんて軽々しくは言えない。

私に原爆展の開催なんてできるかなと、自信がなかった。
彼らの苦しみも何も知らないくせに、知ったようにはとても話せないって。

でも今回は、広島出身の隊員が、「開催したい」と声をあげてくれた。
それならば、私たちにもできるかもしれない。

日本人として。
地球市民として。

過ちを繰り返さないために、伝えるべきものがあるのだということ。

* * * * *

以下は、平成22年度の「平和への誓い」。
未来の世界の平和を担う、2人の小学校6年生の言葉である。


どうしたら争いがなくなるのでしょうか。
どうしたらみんなが笑顔になれるのでしょうか。

ヒロシマに生きるぼくたちの使命は、過去の悲劇から学んだことを、世界中の人々に伝えていくことです。

悲しい過去を変えることはできません。

しかし、過去を学び、強い願いをもって、一人一人が行動すれば、未来を平和に導くことができるはずです。

(広島市のホームページ http://www.city.hiroshima.lg.jp/ より一部抜粋)
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by skr201 | 2010-08-17 01:10 | Trackback | Comments(2)

419日目 「イタリアンバブル・マキシマム」

何度も言うけれども私が暮らすこの島は・・・

マーレから南におよそ80km。
500m×250mという、信じられないかわいらしさ。
人口およそ500人、3家族。
週に1回だけ貨物船が運んでくる物資が、この島の生活を支える。

学校はひとつ。1学年は10から20人。
役所のような働きをする、アイランド・オフィスはある。
その隣に病院もあるけれど、医師は4月から不在。
隣の島から週に1回医師がやってくる日以外は、インド人の看護師が2人だけ。
土地が貧しいので、作物は育たない。動物もいない。
漁業は自分たちが食べる量を獲る程度。

そんな島。いわゆる僻地。
「なのに」か「だから」か、イタリア人を魅了する。

近くにある2つのリゾートの元ゲストが、この島に住み始めた。
最初は別荘だった島に似つかわしくない洋風の家が、今では「終の棲家」に。

「いつまでいるの?」という私の質問に、彼らは迷いもなく答えた。
「Forever」だと。

"Blue Heaven"という家に、家族4人(子ども2人は島の学校に転入済み)とゲスト2人。
"Due Palme"という家に、家族3人と、ゲスト2人。
マルカズ(social center)に、ゲスト2人。
そして、イスラム教徒になり修行中のマルチェーラ(彼女の家も完成間近)。

今この小さな島に、合計14人のイタリア人がステイしている。
すごいな、ケヨドゥー。
やっぱり何か「ある」よね、この島。

そんなイタリア人富豪たちと仲良くなれば、甘い汁が吸える。
物がもらえる、仕事がもらえる、お金がもらえる。
色々な利権が絡んでくるのだ。

だからみんな、イタリア人につきっきり。
欧米人の言うことを黙って聞いてしまうのは、植民地時代の名残か、はたまたメディアや教育の刷り込みか。
まあ日本人だって同じようなものだけれど。

このブーム、いつまで続くんだろうね・・・

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Blue Hevenのご子息、Lorenzoは、自由人。
「キーボード弾かせてよ」って、休みの日なのに学校に連れて行かれた。

最近のお気に入りの遊びは、
①こんなふうにPC作業中の私の部屋にそっと忍び込んで、「わっ!」ってびっくりさせること。
 毎回悔しいくらいにひっかかちゃうのよね・・・
②その後にベッドの下に潜り込み、そこからイロシ(ほうき)で足をこちょこちょってすること。

彼とはほとんど会話は通じないけれど、一緒にいるとなんだかおもしろいんだな。

モルディブの子も、イタリアの子も、みんなかわいい。
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by skr201 | 2010-08-15 00:10 | Trackback | Comments(3)


モルディブでの島生活  +日本での日々の記録    -under the same SKY-
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