ちきゅう



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「働くからこそ休まれる」


気が付けば世の中の学校は、夏休みのよう。

毎朝カーテンを開けると飛び込んでくる真っ青な漁港の光景には、釣りをする少年たちの姿。
そして堤防から飛び込む、また飛び込む、元気な笑い声と水の音、そしてきらきら輝く水しぶき。
夜には花火をあげて遊ぶ音が聞こえてくる。


私は4月から、毎日が日曜日で・・・
でも個展を開いたり引っ越しをしたり入籍したり受験をしたりと、それなりにいそがしくしていた。

それが先週末にその受験が終わったので、結果はさておき当面のto doリストはすべて終了。
仕事もないので完全フリーな「自由時間」になったのだ。


石垣島は夏休みシーズンを迎え、観光客の数もピークに。
航空運賃にも改革が起き、個人旅行者がものすごい勢いで増えているらしい。
観光業に携わる方々は、うれしい悲鳴をあげているとか。


では私はというと。

八重山諸島のすべての島へのアクセスの起点となる石垣島にいるのに、どこにも行かない。
世界中のどんな秘境に何カ月だって行く時間もあるのに、旅に出る気がしないのだ。


仕事をしていた時は、職場に行っては帰るだけの生活。
あれもできないこれもできない、時間に制限のある毎日。

時間を切り売りして、その代償にお金を得る。
すきな仕事、納得ができる仕事だったけれども、なんだか違う。

自分に余裕がなくなってきて、表情が乏しくなり、心が動かなくなっていくのがわかった。
人を思いやることもできずに、どんどん視野が狭くなる。


だから休みになると。
繁忙期のめちゃくちゃ高い航空券を買っては、世界中を歩き回った。

仕事を忘れて頭の中を空っぽにして、自分を解放することの心地よさ。
非現実の世界にどっぷりと浸かる快感は、とっても刺激的だった。


だけれども、しかし。

こうして毎日が夏休みのようになってしまうと。
どこに行く気もしなくなるものだ。

だって何にも束縛されていないし。
ストレスだって、ほとんどないだろう。
そして何より、一番すきな場所を見つけて、そこに住んでいるからなのかな。


なんだか、お腹が空かないみたい・・・



それは「満たされた」という、ことなのかもしれないけれど。
あのハングリーさを失うということは、なんだかちょっと、さみしいもの。


石垣島の星、BEGINの歌に、「オジー自慢のオリオンビール」という、歌がある。
(ちなみにオリオンビールとは、沖縄県内でダントツでシェア1位の「県民ビール」)
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その歌詞の一部から。



金がないなら 海にが行くさ
魚があれば 生きられる
なんくるないさ やってみれ
働くからこそ 休まれる

三つ星かざして 高々と
ビールに託した うちなー(沖縄)の
夢と飲むから おいしいさ
オジー自慢の オリオンビール




そうなんだなあ、きっと。
「働くからこそ 休まれる」んだよねえ。

働くからこそ、疲れるんだし。
働くからこそ、休みたくなる。

がんばって働いたからこそ、堂々と遊べるんだよねえ。
ビールだって、そりゃあ、おいしいさー。


働いて何か少しでも社会の役に立てたら、うれしいなあ。
そして何より、働かなくちゃあ、お金が入って来ないよ。


勤労、納税、教育・・・
それは日本国憲法にある、日本国民の義務だもの。


やっぱり働かなくてはねえ。
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夏休みの海沿いのカフェにて。
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by skr201 | 2013-07-30 06:49 | Trackback | Comments(0)

「うるさい換気扇」


先日12日に石垣島付近を通過した台風7号の話の続き。

近所の橋の下にある、とある看板。
「2012年の成人生」による言葉が、けっこう気に入っている。
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ただの一枚のベニヤ板なので、台風が来たら飛ばされるにちがいないと、我が家で保護。
自転車やベランダのベンチやら、持ち込める物はとりあえず何でも部屋に置いておいた。
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嵐の夜は停電となり、ろうそくで過ごした。
翌朝明るくなって、自転車の近くにあるベッドの枕元に、泥水の跡があるのに気が付いた。

自転車の汚れが、何かの拍子でついたのか。
それとも暴風雨のムービーを撮るのに窓を開けた時に、泥水が吹き込んだのか。

いろいろ考えたけれども、どうも様子がちがう。
ふと上を見上げたら、窓の上の換気扇の下に、同じような泥水の跡が見えた。
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暴風雨の時には、こんなふうに換気扇からも雨水が逆流するのねえ。
これは防ぎようがないなあ、なんて思いながら換気扇のカバーを開けてみると・・・

これまたびっくり。
黄色い布巾が、換気扇の羽に絡まっていた。
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「こんなものまで飛んでくるのか」と呆れて、その布巾を取った。
換気扇を羽だけの状態にして、またカバーを閉じる。


それからというもの。


その換気扇が、ことあるごとに回るようになった。

風が吹けば、爽やかに回る。
窓を閉めると、ものすごく回る。


夜寝るときに窓を閉めると、すごい勢いで回るその音が、実にけたたましい。
窓が閉まると通気口が換気扇だけになってしまうので、一気に回転数が増えるみたい。

あまりにうるさいので、窓を開けて寝る羽目になった。



以前はこんなことがなかった。
ということは、あの布巾を取ってから。

黄色いチェックの布巾を、もう一度換気扇に詰める。
羽が重くなって、換気扇は回らなくなった。


この辺りは高温多湿なので、空気の通り道がないと、すぐにあちこちカビが生えてしまうらしい。
そのための換気扇だけれども、こんなにうるさいんじゃあ、たまらない。

つまりあの布巾は、台風で飛んできて換気扇に詰まったものではなく。
(外側にはもちろんカバーが付いていて、物が入らないようになっていた)


以前住んでいた方が、同じように換気扇の音に悩まされた結果の忘れ物。
もしくは、台風で水が入って来ないように、布巾を詰めた名残りなのかもしれない。
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by skr201 | 2013-07-25 23:06 | Trackback | Comments(0)

「あたたかい水」


先日実家に帰っていたとき、水道の蛇口をひねって思った。
「あ、水が冷たい」


それは子どもの頃、静岡にある祖父のお墓参りに行った時のこと。
富士山の麓にあるその霊園のトイレで手を洗った時に感じた、あの感覚。

蛇口から出てくる水の温度が、自分の知っているものと違う。
「いつもよりすっごく冷たいんだけれど、なんで?」っていう、あれだった。


モルディブもそうだったけれど、こちら(石垣)は水がぬるい。

時間帯にもよるけれど、日中はむしろ、「ぬるい」どころか「あたたかい」のだ。
ゆでたそうめんを水で洗っている時に、特にそう感じる。


なので私は今でもよく、暑いときに水を浴びる。

モルディブ時代は給湯器がなかったので仕方がなかったけれど、今はあっても使わない。
あえて水を、浴びているのだ。


水がそんなに冷たくないから、体をクールダウンさせるのにはちょうどいい。
クーラーがあまり得意ではないので、水を浴びるくらいが気持ちいいのだ。



なんでこんなに水があたたまるのかというと、これ。
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マンションの屋上や横にあるこの貯水タンク!
これが沖縄のてぃだ(太陽)パワーでアツアツに温められているというわけ。


これ、モルディブでも同じだったなあ、あれは黒だったけれど。

2006年末のスマトラ沖地震の津波の影響で井戸水に海水が入って使えなくなってしまった時に、国連が全島にプラスチックのタンクを寄付してくれたのだとか。

どこの島にもどこの家にもあった、あのUNマークが入った真っ黒なタンクを、思い出した。
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・・・うん、夏だねえ。
いちばんすきな季節。
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by skr201 | 2013-07-20 17:13 | Trackback | Comments(0)

「台風7号のあと」


久しぶりにローソクで夜を明かした、その翌朝(横浜でも昭和の時代は停電があった)。
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まだ風はだいぶ強いけれど、台風は去り行き雨は止んだので、窓を開けてみて、びっくり。
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ベランダのお隣さんとの境い目が、なくなっている・・・
なるほど、これは緊急時の避難用だから、すぐに壊れるようになってるんだね・・・


電気は復活したけれど、まだテレビは映らない。
インターネット回線は復活、エアコンは壊れたまま。

台風が吹きつけた海水であちこちがベトベトなので、ベランダや玄関などを掃除した。
新聞が届いたという友だちからのメールで、ようやく台風の被害を知る。
(この写真は石垣市のfacebookページよりお借りしています)
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ベランダから眺める景色も、変わってしまった。
瑞々しい緑に溢れていた港の木々も、葉っぱがカラカラに干からびている。
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街を歩いても、木々が倒れ、花は根こそぎ抜かれていた。
ついこの前までそこにあった命が、今はもうない。
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まあこれが、「自然の摂理」っていうものなんだろう。
大自然の脅威には、逆らうことはできない。
私たちは偉大なる自然の、ほんの一部に過ぎないんだもの。


台風はまた、何度だってやってくるんだし。
決して立ち向かうのではなく、かといって正面から受け止めるのでもなく。


あの暴風雨の時に、風に身を任せて違う方向を向いていた、うちの前の信号みたいにね。


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倒れた木の向こうに緑の葉っぱを見つけて、うれしくなった。
ぜんぶ終わったわけじゃないよね、まだ大丈夫だ。


それにしてもこの子、あの台風のときには、いったいどこに隠れていたんだろう。
いつだってネコは知っているんだよね、一番居心地のいい場所。
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by skr201 | 2013-07-15 16:43 | Trackback | Comments(2)

"Happy life"


6月の終わりに、入籍をした。
お相手はモルディブのひと。

2010年11月4日に「500日目オメデトウ!」という記事で、別れたことを記している、彼。
http://skr201.exblog.jp/14920966/


結婚はもちろん、お付き合いをするだけでも、大変・・・
言葉も文化も宗教も、そして経済的な問題も、何もかもが違いすぎる。

そんなことがあの頃からずっと、頭の中を巡っていた。


彼が二度目の来日をして、石垣での生活が始まり。
お互い仕事をしていなかったので、24時間ずっと一緒がふたつき続いて、気が付いた。

急がない、怒らない、欲張らない・・・
優しく穏やかで、いつだってマイペース。


「受験勉強」と称して家事をサボる私に、毎日まいにち汗だくになってご飯をつくってくれた。

時間をかけて、手間暇かけて、愛情込めて食事をつくる。
そしてそれをゆっくり時間をかけて、いろんなことを話しながら、一緒に食べる。


そういうのが家族なんだよって、隣近所みんなが家族の島で育った彼に、教えてもらったら。
「大切だなあ」と感じるのと同時に、「覚悟を決めなくちゃ」という気持ちになった。

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高価な結婚指輪は買えない私たちだけれども。
貧しくとも"Happy life"を、よろしくね。
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by skr201 | 2013-07-10 18:59 | Trackback | Comments(8)

「捨てない、焼かない、活かしてリサイクル」


退職や引っ越しにともない、出てきた大量のごみ。
毎度のことだけれども、本当にたくさんのモノに囲まれていることを実感して、いやになる。

必要な物、実際に使うものなんて、ごくわずかなのに。
あれもこれもと貯め込んでしまう、買ってしまう。
そして動こうと思って初めて自分の持ち物の多さを認識し、その量に愕然とする。


22歳の時に1年間、オーストラリアに住んでいた。
その時の持ち物は、大きなバックパックひとつ分。

人間が1年間生きていくのに、多くの物は必要ないんだなあと、初めてわかった。
持ち物を貯め込むのではなく、「削ぎ落とす」ことに爽快感を感じたのが、とても新鮮だった。


そんな感動も日常生活のいそがしさに紛れてしまい、気が付くとまた、いつもの生活。
それから十数年間過ごした実家には、世界中を旅した思い出と共に、大量のモノが溢れる。

CDや本などは、ブックオフに買い取ってもらえた。
世界の民芸品は5月に開催した写真展で、みなさんに引き渡す。
もう使い物にならないようなくたびれた物は、心苦しいけれど捨てることにした。


そこで残ったのが、衣類・カバン・靴、等々
あまり使用してないものも多く、捨てるのにはもったいない。

フリマにでも出そうかなと、ネットを検索していたところ。
とあるページに辿り着いた。


奈良県にある「マツユキリサイクル」さんという会社が、日本で不要になったカバン・靴・古着等を、発展途上国に送っているのだという。

他にもリユース事業をしているところは日本中にたくさんある。
けれども回収の時期や品物が限られていて、今回の私の思いとはマッチングしなかった。


そこで早速、服やカバンや靴等をダンボールに入れて、マツユキさんに宅急便で送る。
送料さえ負担すれば、特に手続きはないのだという。


それからほどなくして。
そのマツユキリサイクルさんから、実家に手紙が届いていた。

そこにはこんな文面が並ぶ。


・中古衣料のリユース事業に協力したことに対するお礼
・送付した衣料品は一旦韓国で選別された後、東南アジアおよびアフリカ諸国に届けられること
・その収益の一部は、国際NGOグッド・ネイバーズ・ジャパンに寄付されること
・大量の古着等を開発途上国に送るのには、まだ多くの難題を抱えていること


そして最後にもう一度、お礼の言葉が述べられていた。

もちろん印刷された文面ではあるけれど、気持ちがこもった文章と。
私の荷物を載せた船の名前とその船が韓国へ出港した日にちが、きちんと書かれていた。


そんなことに、その会社の誠実さを感じて、心があたたまった。


以下はマツユキリサイクルさんのHPから、古着がリユースされるまでの過程をご紹介。
http://www.matsuyuki.co.jp/reuse.htm

まずは500kgごとにプレスされて、韓国に運ばれる。
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そこで品目ごとに分別。
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再び梱包されて、途上国に船で送られて行くのだという。
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自分がいらなくなったもので国際協力ができるのなら、そんなうれしいことはない。
無理せず自分ができることを、ね。
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by skr201 | 2013-07-05 23:45 | Trackback | Comments(0)


モルディブでの島生活  +日本での日々の記録    -under the same SKY-
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