モルディブには、ホタという軽食堂がある。
フライドライスやヌードルなどの軽食もあるけど(ケヨドゥーでは予約制)、
だいたいみんな、ヘディカという小さなお茶菓子をつまみながら、
たっぷりと砂糖を入れたコーヒーや紅茶を飲んで、
おしゃべりに花を咲かせている。
私たちも語学研修中からすっかりこのホタ通いにはまり、
毎日欠かさずヘディカとお茶を口にしていた。
ヘディカにはスイーツ系の甘いものから、
おかず系の辛いものやしょっぱいものがあり、
砂糖、ヤシの実、魚、スパイス、米、小麦粉などを材料にして、
揚げたり焼いたりしたものが多い。
ちなみに私のお気に入りは、甘口ならドンケヨ・カドゥル(バナナ味のドーナツ)、
おかず系ならマス・ロシ(シーチキンサラダのようなものを小麦粉の皮で巻いたもの)!
しかし、ローダマス(断食月)になると、ホタはやっていない。
飲食ができないのはもちろん、ヘディカが売れないからだ。
ローダマスには、マンマたちは午後になると料理をつくり始める。
(空腹で料理するなんて、何とも酷だなあ、と思うんだけども。)
普段はあまりつくらないヘディカも、手作りしている。
そして、そのヘディカが出来上がると、お皿に入れて、ご近所さんに配りに行く。
(これはだいたい子どもの仕事)
だから、バンギ(6時過ぎのお祈り、つまり断食解禁の合図)がなる前には、
ヘディカを片手に、みんな島中をうろちょろしているのだ。
あちこちに配りに行って、そして当然、あちこちからヘディカをもらって...
という具合に、ヘディカは一種類しか作らないけど、
食卓にはたくさんのヘディカが並ぶという、便利な仕組み。
だからこのヘディカを食べるだけでも、満腹になりそうなんだけど、
本番はまだこれから。
この後には、マンマたちが味見できずにつくった料理を(匂いで判断している)、
またお腹いっぱい食べるのです。
画像は、
①本日のヘディカ。
いつもは登場しない、ガトー・ショコラのような、おしゃれなヘディカ(左)と、
卵が入ってちょっと豪華なビス(卵)・ボーキバー(おかずヘディカ)。
②前回は載せられなかったドーニ(漁船)を脚で操作している様子
③同じく釣竿ならぬ「釣りボトル」。
黒いシャツの男の子が持つボトルの先には長いラインがついている。
10日に他の島へピクニックに行きがてら釣りをしているところ。