ちきゅう



106日目「命という概念」

3日の夕方、ショッキングな現場を目撃した。

庭のジョーリ(椅子)で涼んでいたところ、数人の若い男たちが外で「たたけ!たたけ!」と叫んでいるのが聞こえた。
一体何の騒ぎだろうと外へ出てみると、大きな1枚の網で捕らえた何かを、棒で何度も殴っている。
よく見ているとそれは、信じられないことに、猫だった。

遠くからでも、猫がすぐにぐったりとしたのがわかった。
なぜこんなことをするんだろう。
近くにいた子どもに聞いてみた。
彼は当たり前のように答えた。
「猫はいたずらするからだよ」

男たちは猫を囲んで、自分たちの獲物を眺めている。
暗闇の中でその無残な姿に、懐中電灯の光を当てていた。

しばらく呆然と眺めていると、一人が別の猫を網の方へ追い込み、また、同じことが行われた。
こうしてあっという間に、2匹の猫が撲殺されたのだ。

私はびっくりして、何もできなかった。
何かしたら私の方が、彼らに殴られる気がした。

普段はのんびりとしていて、南国特有のおおらかな性格の彼ら。
でも本来は狩猟民族であるその本能というか、命を絶つことに抵抗が無い姿を垣間見て、恐ろしくなった。

私たちはこの島で、魚を毎日食べている。
海では男たちが魚を捕り、さばき、血が流れる。
それに対しては、「かわいそう」とか「なんてことをするんだ」とは、思ったことがなかった。
それは食用だから、命を頂くからであろう。
自分たちが生きていくために、命を頂く。だから有難く、残さず食べる。

どこの国だって同じだ。
地球に暮らす私たちの生活は、命あるものの尊い命の犠牲の上に成り立っていて、それなしにはもう、生きてはいけない。

魚だから、鶏だから、牛だから、豚だから、いい。
でも、猫だから「かわいそう」というのは、身勝手な言い分なのだろうか。

あまりにびっくりしたので、色々な人にこの話をしてみた。
アイランド・オフィスにも行って相談した(ポイ捨て禁止の再放送を催促しに行ったついでに)。
たいてい女性は、「いけないことだ」と言い、男性は、「猫はいたずらするんだから仕方がない」と言う。
そして、この手の話は、珍しいことではない。

これも、この島の、この国の文化ならば、私がとやかく言うことではないのだろう。
大切な魚を盗み食いし、可愛がっている飼鳥にいたずらをする猫は、彼らにとっては害獣なのだ。

その数人の男たちの中の一人に、以前絡まれたことがある。
あの時は何でもなかったけど、あいつには気を付けよう。
[PR]
by skr201 | 2009-10-05 00:52
<< 108日目 「幸せな時間」 103日目 「ワイルドで繊細な... >>


モルディブでの島生活  +日本での日々の記録    -under the same SKY-
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
以前の記事
検索
その他のジャンル
最新の記事
記事ランキング
画像一覧