モルディブ人は、すごく子どもを可愛がると聞いていた。
だからなのか、それとも荷物が重いからか。
人にもよるけど、5年生くらいまでは、登下校する子どもの荷物を親が持つ。
子どもはというと、手ぶらで歩いているのだ。
低学年でも1日に授業が7時間あり、教科書やノートがたくさんある。
さらにノートは分厚くハードカバーで重たい。
だから、どの子もずい分大きなリュックサックを持っている。
日本のランドセルよりも、だいぶ大きい。
女の子はたいていピンク、男の子は青とか黒のものが多い。
毎日終業後は連絡事項があるので、6年生までは親御さんが学校に来ることになっている。
「それくらい自分で持って帰りなよ」
と、言いたくなってしまうんだけど、親御さんのお迎えに、みんな嬉しそう。
荷物を手渡して、今日はこんなことがあったとか、帰ったら何をするとか、話しているんだろう。
マンマたちは大きなリュックを肩に掛け、日傘を差しながら、「うんうん」と子どもの話を聞いている。
そんなふうに子どもを可愛がる島の人たちは、自分の子ではなくても、子ども見ると必ず声を掛け、時にはちょっかいを出している。
「おいで!」なんて抱っこして、そのまま散歩に行くことも。
そしてよその子でも、悪いことをすればちゃんと叱ってやる。
島の子どもは、島のみんなで育てよう、そういう意識を共有しているようだ。
家族も多く、おじいちゃん・おばあちゃん、おじさん・おばさんなど、同じ家にたくさんの人が住んでいるので、「今ちょっと忙しいから、この子見てて」「今日はお迎えに行って」など、誰かに気軽に頼める。
子どもにとっても、親だけでなく様々な年代の人たちに囲まれ、いろんなことを学べるいい環境だ。
そんな子どもを見守る温かい目が島中にあるから、親御さんは安心して、そして子どもはのびのびと、この島で暮らしていけるのだろう。
画像は私の家の隣に住むご家族。
右後ろの3年生のお姉ちゃんのリュックを、お母さんが持つ。
右下の子は妹。そして銀色の大きな日傘は、島歩きの必需品。