日中の陽射しはすごい。
白い砂が地面を覆うこの島では、下からの照り返しがきつく、
まさに上から下から照らされて、肌がジリジリと焦げる音が聞こえるよう。
でもそんな日は、海の色が美しい。
日陰のブランコに揺られて。
木の下のベッド(単なる板だけど)に横になって。
風に吹かれてのんびりと眺める海の色は本当にきれいで、
ずい分と幸せな気分にさせてもらえる。
夜、空に星が瞬く頃。
安心して外に出られる「優しい時間」。
(昼間うっかりと外に出て長居をするとヤケドする)
港に腰掛けて星を見上げる。
海に足を投げ出すと、足の裏に波の動きを感じる。
びっくりするくらい明るい、大きな流れ星。
大空を横切る天の川。
太古の昔から果てしなく続く、大宇宙のドラマ!
「次の流れ星を見たら帰ろうっと」
そう欲をかくと見られない。
肌にあたる風が、だんだんと冷たくなってくる。
きれいな海の色も、空を真っ赤に染める夕焼けも、満点の星空も、自分だけのもの!
この島の人は、ぼーっと景色を眺めたりしない。
彼らにとっては、この美しさも日常の風景であって、
取るに足らない当たり前のことなのかな。
たまにバングラディッシュ人が眺めている。
彼らはモルディブ全土に渡って、集団で出稼ぎに来ている。
モルディブ人が昼寝している横で、本当によく働く。
異国で暮らしていると感傷的になるのかも。
私たち仲間だね、ボンディ(バングラ語で“友だち”)!
でも最近、気配を感じる。
港で、ビーチで、海を眺めているとき。
誰かが側にいるような。
ふと横を見ると・・・
そこには、マーカナが!
マーカナとは日本で言う、「アオサギ」のことらしい。
大型の白い鳥。
そいつもいつも、1人で海を眺めている。
餌を探しているんだろうけど、遠くを眺める姿は、何かを考えているようで。
私たちはいつも、ある一定の距離を保ち、言葉も交わさず、目も合わさない。
「今日も来たね」って、物を言わぬ横顔がそう語っている。
そしてしばらくすると大海原へ羽ばたいていく。
飛ぶ姿も絵になるよねー、きみ。
明日もまた、ここでね。
