ここのところずっと、波が高い。
港の防波堤の向こうには、毎日のように白波が立っている。
島で遊びと言えば、海で泳いだり、サッカーやバドミントンをしたりと、そんなところ。
週末には船を出してもらって、近くの無人島に行くのがちょっとしたイベントで、私たちが語学研修をしていた頃も、よく出かけた。
あの頃は天気が安定していで海も穏やかだったので、毎週のようにあちこちの島へと連れて行ってもらったっけ。
だけれども今回の研修の期間は、なかなか天候に恵まれない。
21年度3次隊の6人がやって来て、初めての週末。
「ピクニックに連れて行ってあげるよ」と職場の先生に言われて、素直な私たちは朝の6時に港に集合した。
空はどんより、海は荒れ模様。
もちろん港には誰もいない。
きのうの夜の間に、中止の情報が島民の間のみに流れたらしい。
こんな時にも「ごめん」なんて言わないのがモルディブ流。
次の週も、その次の週もダメで、気が付けば研修期間最後の週末。
今回ばかりは無理やりにでも行かなくちゃ。
いよいよ迎えた土曜日の朝、これがラストチャンス。
天気もなかなか。
早目に集合して、買い物を済ませる。
今日は無人島で、フライドヌードルを作ろう♪
あ、キャプテンのマリオを起こすのを忘れてた。
電話するも出ない。家に行ってみる。
ドアを開けると、すごい音で電話が鳴っているのにまだ寝ているマリオ。
無理やり起こしても、怒らないのもモルディブ流。
新隊員とこの島で活動する隊員の計7人+マリオ+イドリス(お手伝い)の9人を乗せて、ボートは重そうに進む。
15分ほどで、無人島に到着。
着いたら早々に、掃除を始める働き者イドリス。
使いにくそうな小さなほうきで、ゴミや落ち葉を集めては燃やす。
私たちもお手伝い。
とにかくペットボトルのゴミが多い。
こうやってピクニックに来た人たちが置いていってしまうのだ。
あちこちにゴミの山を作っては、燃やした。
きたなかった場所が、みるみるきれいになるのを見るのは、やっぱり気持ちが良い。
これで島の入り口付近は、だいぶきれいになったね。
「またそうじに来なくちゃね」と、マリオとイドリス。
この辺りでひと休みがてら海に入る。
大物は見当たらなかったけど、ひとつきぶりくらいに海に入った。
10回連続前回りに挑戦!結構うまくなったよ。
私が小腹が空いたので、勝手に早目のランチを作り始める。
女子は調理担当、男子は石を集めてかまど作り。
何もかも適当なワイルド・クッキングだけど、みんなで作って空の下で食べれば何だっておいしい!
ご飯の後には、思い思いに時間を過ごす。
ひたすら泳ぐ人。
海でサザエを捕る人。
それを焼く人、食べる人。
ビーチでカニを捕る人。
それを焼く人、食べる人。
火起こしに挑戦する人。
それを眺めるイタリア人観光客(船で島に立ち寄った)。
木陰で居眠りをする人。
椰子の実を採りに、木に登る人。
そのジュースを飲む人。
音楽を聴く人。
相変わらず掃除をする人。
ゴミを燃やす火加減を調整する人。
私は主に、「食べる」の部分を担当したけど・・・
そして!
カメを見つけた人!!
その写真撮影に成功した人!!!
「カメが見たいな」と言いながら、なかなか見られなかった彼ら。
最後の最後に、姿を見せてくれたカメ。
出会えて良かったね。
でも良く見ると、首の辺りから出血している。
どうしたのかな。大丈夫かな。早く良くなると良いけど。
この撮影の腕前たるや・・・素晴らしい!
これは体育新隊員の作品。
構図も良いけど、色も良いよね。
いいなー。私も水中で撮影できるカメラ、欲しいなー。