きのうの夜から続く雨。
降ったり止んだり繰り返しながら、まだ止まない。
小さい頃から、雨が降るのを眺めるのがすきで。
雨のにおいもすきだな。
雨が傘に当たる音もすき。その感触もすき。
水たまりの真ん中を通るのがすき。
バシャバシャッて水をはねさせながら。
だから雨はきらいじゃない。
ここにはたくさん時間があるので、思う存分雨を眺められる。
学校では空き時間に、軒下に椅子を置いて、緑に重なる雨を眺める。
校庭にある大きなガジュマルの木。30mくらいはあるかな。
一体どのくらいの長い間、そこに立っているのだろう。
その向こうにある椰子の木の林。これもずい分大きい。
海の方向に向かって、みな同じように傾いている。
緑の木々の手前に降る雨粒は、ひとつひとつが良く見える。
バナナの葉に当たる雨粒は、弾き飛ばされてまあるい「たま」になる。
椰子の葉に降る雨粒はどうなっているのか、高過ぎてよく見えないけど。
木の少ないこの島。
花も少ないこの島。
だけど雨が降ると、その木々や花々がしっとりと濡れて、いつもとは違う柔らかい空気を放つ。
だから雨っていいなあ。
いつもはぎらぎらしている島が、柔らかい雰囲気に包まれる。
なんだか空気が瑞々しくなるっていうか。
いつもよりちょっと多めに息を吸いたくなる。
家では庭のジョーリ(網椅子)に腰掛けて、雨を眺める。
こっちの家はトタン屋根なので、雨が当たる音がすごく大きい。
これを聞くのも、すきなので。
ただぼーっと、雨を眺めて。
ただぼーっと、その音を聞く。
雨樋を伝う雨は、青色のパイプを通って、井戸や飲料水タンクに集まってくる。
雨がたくさん降ると、水が勢いよく井戸に落ちていくのが見える。
井戸に落ちて行くまでは見えるけど、どのくらい井戸に溜まっているのかは、ここからじゃ見えない。
きっとたくさん溜まったんだろうなって、想像すると「うふっ」って嬉しくなる。
手前の半円形が井戸、奥の黒いタンクが雨水タンク(飲料水として飲む)。
井戸を上から見たことろ。
ミネラルウォーターよりも、おいしい雨水。
生活に欠かせない水が、空から降ってくる。
雨はありがたい。
雨はすき。
体育ができなくて困るけど。
(やっぱりみんな、外で走り回りたい)
洗濯物が乾かなくて困るけど。
(晴れなら半日で乾くのに)