乾季のこの時期。
海は荒れて波が高くなる。
漁師のバッパも漁には出られないので、ここのところはずっと、船を直したり、家を修理したり、そんなことをして過ごしている。
こっちの人は本当に器用で、何でもかんでも自分の手で仕事をする。
家だってそう。
自分で作っちゃうんだからすごい。
そして住みながらも少しずつ手を加えていって、改築して行く。
どこかに誰かが家を作るとなれば、みんなでお手伝い。
これにバングラディシュ人労働者が加わる。
そんなこの島の人たちが、この時期にやっていることと言えば、
①浅瀬でムシマス釣り(男性のみ)
②椰子の葉編み(女性も)
の2つ。
②の椰子の葉編みとは、枯れて茶色くなった椰子の葉を集めて、きれいに紐で編んでいくこと。
これを近くのリゾートに持っていくと、4つで45Rfで売れるらしい。
昔はきっと民家の屋根に葺いていたのだろうけど、いまは島では使わない。
リゾートでは水上コテージなどの屋根に使われている。
南国の雰囲気が出るものね。
椰子の葉を横にして、上の方向にどんどん重ねていく。
金属製の幅の広い平たい棒で固定しながら、器用に紐で編んでいく。
朝に昼に晩に・・・
空き時間を見つけては、精魂込めて編んでいくバッパ。
こう見えてバッパ、仕事は丁寧で正確だし、細かい作業だって得意。
一つひとつの網目を、ぎゅっぎゅっとしっかりと編み込んでいく。
ときどき油をつけて、その金属の棒を滑らせながら。
バッパがつくったこの葉っぱは、雨にも風にも、そしてぎらぎらと照りつけるモルディブの日差しにも負けない、丈夫な屋根になることだろう!