ちきゅう



336日目 「きまり」

この国で活動する隊員が守るべき「きまり」。
その中のひとつに、「現地人(日本人以外)を自宅に入れてはいけない」というのがある。

理由は当然、安全上の理由から。
日本とは違い、任国では盗み等の犯罪も多い。

その多くは、自宅や部屋の構造を知っている者によって行われる。
つまり、事前に入ったことがある奴・よくこっちを観察している奴が怪しい。

他の島や他の国で、物を盗られたという話を聞く。
残念ながら、よくある話。

でも。

このとてつもなく小さな島では、「物を盗られた」という話をほとんど聞かない。

ここは250m×500mという、嘘みたいなサイズの島。
警察はいない。いらない。

3家族から構成されている住民組織は、当然ながら誰もが顔見知りで。
顔見知りどころか、家族・親族・血縁関係者だね。
いつ、どこで、誰か何をしているのか、お互いよーく知っている。

よく出来た相互監視システム。
それで抑制し合っている。

人の目や口や耳と言うものは、何とも恐ろしいもの・・・

ここで学んだこと。

「何事も出過ぎないよう、目立ちすぎないように」
「公の場と個人の場で、立ち振る舞いを使い分ける」
この2つ。

こんな島で悪いことをしたら、生きていけない。
誰がやったかなんてすぐに分かる。

500人が見てるし。
海に囲まれてるから逃げられないし。

だから、犯罪のないこの島。
少なくとも私は、聞いたことがない。

前置きが長くなったけど、誰もが家族のようなこの島では。
はっきり言って、先の「きまり」を守るのなんて無理!

ここの家も、あそこの家も、親戚の家。
どの家だって出入り自由。
日中は鍵も掛けない。

喉が乾いたから水を飲むし、お腹が空いたら食べ物だってつまむ。
そして食後にはフォー(ビンロウの実)を噛む。

ジョーリ(紐で編んだイス)に座って涼をとる。
世間話だってして、情報を共有しないといけない。

そんな島なのよ、ここは。
私の部屋だけ治外法権という訳にはいかないでしょ。

なので。
最近よく家に来る2人をご紹介。

①隣の家のラフハーヌ(1年生)
以前はよくブリッジを見せに来たけど、ここ数日はトランプやUNOをしに来る。
でもまだルールをよく分かってない。

今日は4回も来た。
ちょこっと日本の映画を見て、「ありがとう」「わたし」という言葉を聞き取って、喜んでいた。
モルディブ人って、かなり耳が良い。

この子はいつも当然のように台所をあさり、冷蔵庫を開け、好きなものを食べる。
私の許可は一切得ないし、「ありがとう」の言葉も無いけれど、これは標準的なモルディブ人の行動なんだろう。

②「アイランド・カウンセラー」の異名を持つハンマドゥ(6年生)
インターネットがしたいとやって来る。
サッカー選手の画像を検索し、画面に映ったそれを私のデジカメで撮り、今度首都で現像して来いと言う。
何かおかしなことしてるよね?

いつも島中神出鬼没のこの子。
島のことは何でも知っている。誰とでも顔見知り。

何かあったら、こちらまでご相談を。
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ベッドの上でトランプをするラフハーヌ(左)とハンマドゥ(右)。
こうやってみんなとりあえずはベッドに座るから、いつだって私の寝床は砂だらけ。


「きまり」は守らないといけない。
みんなが気持ち良く生活するために、「きまり」はある。

人が集まるとそこに、集団ができる。
集団にはその集団の、「きまり」が生まれる。
その集団がうまく機能するために、守らなくてはならないもの。

家族の、学校の、社会の「きまり」。

「きまり」を守らずに痛い目に遭うのは自分自身。
そしてそれは、周囲に迷惑を掛けるということにもなる。

でも。
「郷に行っては郷に従え」という言葉もあるし。

どうかな、どうでしょう?
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by skr201 | 2010-05-23 00:39
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モルディブでの島生活  +日本での日々の記録    -under the same SKY-
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