私がJICAの青年海外協力隊として、モルディブの小さな島にいた頃。
ある1通のノートが届いた(首都ならともかく地方島に手紙が届くなんて奇跡に近い)。
話は派遣される前に長野県駒ヶ根市にある訓練所で訓練などを受けていた頃にさかのぼる。
当時私は英語クラスに所属して、7人の仲間たちと同じクラスだった。
ブータン、インド、パラオ、マーシャル、ミクロネシア、フィジー、そしてモルディブと、任国はバラバラで、現地語も異なるけれども、私たちは活動で使う言語として英語を勉強していたのだ。
そこでお世話になった先生が、毎回やっている企画が、それ。
みんなが任国に派遣されたら、その先生がある隊員のもとに手紙を書くという。
そしてそれを、全員の任地に回していこうというもの。
インターネット全盛の時代だからこそ、そんなのもいいね、とみんな賛成。
(詳しくは2010年9月、452日目「旅する手紙」参照)
そのノートは、無事に8人の任地を2年間で2周して、日本の先生のもとに帰ってきた。
私もしばらくはそのことを忘れていたんだけれども、ある理由があって思い出したのだ。
先生に連絡すると、すぐに郵送してくれた。
そしてこれが、2年弱ぶりに見る、"world travel letter"。
ああやっぱり、手紙っていいなあ・・・
個性溢れる筆跡を眺めるのがおもしろい。
各国の切手は、芸術品のように美しいし。
ペタペタ貼ってある写真からは、当時の温度が伝わってくる。
手作りのものがもつ、あたたかさ。
そこに込められた「思い」が、しっかりと伝わってくるね。
そして何より、私はここでも仲間に恵まれたんだなあと、うれしくなった。
今はまた、世界各地で、それぞれの道を歩き始めた仲間たち。
なかなか時間の調整ができなくて、帰国して1年が経つけれど、未だに会えていない。
そう思うとああやって2ヶ月間も時間を共有できたのは、本当に貴重な経験だったね。
早くみんなに、もう一度会いたいよ。