「卒業式の頃には、デイゴの花が咲くんだよ」
そう聞いたのは、この島に来た頃だった。
コスモスもハイビスカスもブーゲンビリアも、いつも咲いているこの島だけれども。
寒さが和らいで日中の陽射しに夏のような力強さを感じる最近では、そんないつも目にする花たちも、いっそう輝きを増しているように見える。
我校でも卒業式を迎える頃になると。
裏門の横にあるデイゴの木にも、赤色の花がつきだし、その数が日に日に増していった。
燃えるような真っ赤な花に、カラスが群がって、その花をつつく。
「食べたらおいしいのかな」なんて思いながら、その様子を眺めていた。
その度に、「写真を撮りたいなあ」と、ずっと思っていたのだけれど。
わたしのカメラは、iPhone5・・・
デイゴの写真を撮るのは難しくて、なかなか思うようには撮れない。
木が大きくて花の位置が高いと、一体どんな花なのか、分からなくなるし。
曇りや雨の日が多くて、空が暗い。赤い花の色が、うまく表現できない。
でもチャンスはやってくるもので。
天気のいい日に竹富島に行くことができた。
港から集落の入り口まで、見事なデイゴ並木が続いていた。
青い空にデイゴの真っ赤な色が、よく映えている。
そしてまだ、小さな木につく花は、手を伸ばせば届く高さ。
地面に落ちた赤い花びらもまた、絵になる。
あんまりきれいなので。
うれしくて一心不乱に写真を撮っていたら。
あっという間にバッテリーが30%
この分じゃあすぐに、電池切れだな・・・
他のものも撮らなくちゃねと、急いだけれども、早かった。
いつも花がきれいな、竹富小中学校。
赤瓦がたくさん。
コンドイ浜では、子どもたちが元気に泳いでいた。
ブーゲンビリアが、てんこ盛り。
ざんねんながら、この辺りで電池切れ。
やっぱりお出かけには、予備のバッテリーを、持って来ないとね。
この他のシーンは、心に刻んだのでした。