ちきゅう



<   2009年 11月 ( 13 )   > この月の画像一覧


138日目 「小さい島だけど」

何度も言いますが、この島の大きさは250m×500m。
小学校よりは大きいけど、大学のキャンパスよりはすっと小さい。
そこに、数百人の人々の生活と人生がある。

日本でこの島のことを調べようにも、地図にも載っていなかった。
ネットで検索しても出てこない。
仕方が無いので偶然モルディブに行くという友だちに地図を買ってくるように頼んだ。

買ってきてもらった地図を眺めると、小さな島が集まってできた輪の中に、島というよりも、何かのかけらのような形をしたものが描かれていた。
それを見て私が想像したもの。

長細い形をした白い砂でできた島。
そこにヤシの木がたくさん生えている。
木でつくった家、学校、船、伝統的な民族衣装を着た人々。
現代文明から取り残されて、昔ながらの生活を続ける村・・・・

ところが!

今年の6月にこの島に降り立った私たちが目にしたもの。
長細い形をした白い砂でできた島。
たくさんのヤシの木、ヤシじゃない木。
もちろん日本よりは簡素だけど、意外と普通の家。

学校だってちゃんと教室がある。教材や文房具だって一通り揃っている。
まあ船はちょっと伝統的だけど、島の人は私たちと同じような格好をしている。
女性はブルガというスカーフで頭を隠し、長袖長ズボンで肌も隠しているけど。

ケータイでネット、音楽のダウンロード、カメラで写真を撮ったりとフル活用。
テレビではケーブルで世界各国の番組を見ているし、いまや何事もグローバル。
こんな僻地だって、世界と繋がっているのだ。

つまり何が言いたいのかというと、ここでの生活も、いたって普通であるということ!
こうやってネットだって出来るし、たいていのものはコンビに並に便利な島の商店で手に入る。

そして不思議なことに、こんなに狭い島なのに、狭さを少しも感じないのだ。
一体どうしてなんだろう・・・?
四方を海に囲まれていて、視界が開けているからだろうか。

この小さな世界は、これはこれで、ひとつの世界として成り立っている。
人々が暮らす集落があって、学校があって、診療所があって、ゴミ捨て場があって・・・
食料品、日用品、衣料品・・・その他なんでも、必要なものは週一回貨物船が運んでくる。
それで全て事足りるのだ。

私の日常はといえば、朝起きて学校に行く。帰ってきて港や喫茶店で夕涼み。
涼しくなったらゴミを拾いながら子どもたちと遊んだ後に、夕焼けを眺める。
そして夜はまた港で涼を取ったり、家で音楽を聴いたり、映画をみたり・・・

こんな日々の繰り返し。
この島の生活のサイクルに入ってしまえば、不自由さも狭さも感じない。
(みんなの視線は痛いほど感じるけど。)
これ以上でもこれ以下でもない、「これ」そのものが今の私が住む世界。
人間が生活圏として認識する領域は、これくらいの空間があれば十分なのかもしれない。

でもどうしようもないのが、運動不足。
一日で歩く距離は高が知れてる。
学校まで3分、港まで1分。島1周20分。
坂も無い、階段もない、平らな島。

黒くまあるくぷよぷよになっていく体を眺め、何かせねばと思う。
でもウォーキングやジョギングなんか始めたら、また噂になっちゃうだろうな。
「キョーコ・モヤワニー(気が狂った)」って。

画像は、月の周りにできた大きな輪。
日本でも小さな輪は見えるけど、これはびっくりするくらい大きかった。
他のものが一緒に撮れなかったので、大きさを伝えられないのが残念。
とにかく頭上に大きく広がる輪はとても美しかった。

f0204584_015105.jpg

[PR]
by skr201 | 2009-11-06 00:16

136日目 「心に響く言葉」

JICAの訓練所は国内に2箇所ある。
福島県二本松市と、長野県駒ヶ根市。
学習言語や任国によって振り分けられ、私たちは駒ヶ根で65日間の訓練を受けた。

主な訓練内容は、語学。
午前中に4時間、午後に2時間の語学の授業を受け、それに国際協力に関する講義が加わる。

私の学習言語であった英語の場合、クラスにはブータン、インド、フィジー、ミクロネシア(2人)、パラオ、マーシャル、そしてモルディブに派遣される合計8人で構成されていた。
8人というのは語学クラスの中でも最も多い人数だったけれど、良い仲間に恵まれ楽しく過ごすことができた。

そんな語学クラスの仲間で、メールをやりとりすることがある。
世の中本当に便利になったもので、私たちが派遣されるような国でも、いまやメールができるのだ!
それぞれの任地での活動や生活について書かれたメールを読みながら、その地で活躍する仲間の姿を想像するのがおもしろい。

時折、日本からもメールが届く。
私たちの語学クラスの担当であったサイモン先生。
これまで日本以外にも、世界各地を渡り歩いてきたという彼は、語学講師としてだけでなく、その世界観も魅力的なものだった。

そんなサイモン先生から、先日届いたメール。
それは私ではなく、ある隊員に宛てたものであったけれど、おそらく隊員の誰もが一度は感じることなんであろう。
JICA講師の経験も長い彼は、私たちが直面する問題も、敏感に感じ取ってくれるようだ。

"It is an old problem....how to get people to change or see things in a different way....how to help improve things.
Change is often the biggest fear for people.
It seems so much easier and safer to let things roll along in the same old way.
Don't get discouraged.
Just keep quietly pushing and pulling and showing by example.
Something will happen....eventually."

「それはよくあること・・・どうやって人やそのものの見方を変えるか・・・よりよい方向へ向かうように。
変化はしばしば、人々にとって最も怖いもの。
いつまでも同じような状況に甘んじている方が、よっぽど簡単で安全だ。
でも落ち込まないで!
押したり引いたり、静かに進み続けよう・・・具体的な例を示しながら。
最後にはきっと・・・何かが起こるだろう。」


心に響く言葉だった。

そう、誰だって変わることは怖いし、面倒くさい。
今のままだっていいじゃないか。そんなに困ってないし。

でも、より良い道は、他にもあるんだ。
それを少しずつでも見せていけたらいいな。
そしてその良さを、伝えることが出来たら。

誰も賛成してくれない日もある。
誰も協力してくれない日だってある。
一人ぼっちで何かできるんだろうと、悩む日もある。

でも毎日、ゆっくりじっくり積み重ねていきたい。
そんな私の姿が、この島の人々の目にどう映るのか。

「継続は力なり」って、日本にはそんな諺があったな。
その言葉自体が日本文化そのものを表していると、改めて感じる。

少しずつ。でも着実に。
「最後にはきっと、何かが起きる」のを願って・・・


画像は、
①ある日の夕焼け。引き潮のこの日、波がなく水面がびっくりするくらい滑らか。
②先週また、学校の年度末の打ち上げで無人島にピクニックに行った。海に架かる180度の虹。
③同上。この二つの虹の写真は、先輩PC隊員が撮ったもの。防水機能のない私のカメラは、雨の日は活躍できない。

f0204584_23213110.jpg
f0204584_23223944.jpg

f0204584_232493.jpg

[PR]
by skr201 | 2009-11-04 00:16

134日目 「コカ・コーラのなぞ」

うだるような暑さが、365日続く。
温度計が無いので気温は分からないけれど、この前ちょっと体調が悪くて島の診療所に行き、初めて温度計なるものを見た。
午後3時の室内の気温が35度。おそらく炎天下では40度以上あるだろう。

こんな暑い日には、炭酸が飲みたくなる。
シュワシュワーっとして、喉を潤したい。

なので、毎日コカ・コーラを飲んでいる。
日本には、「ダイエット」とか、「ゼロ」とか、そんな洒落たものがあるけど、ここには無い。
みんな紅茶にもコーヒーにもミロにさえも、たっぷりの砂糖を入れて飲む。
お砂糖大好き!甘いもの大好き!なんでダイエットなんてしなきゃいけないんだ!という島の人々。
私もそんな洗礼を受け、小麦色でぼてっとしたモルディブのマンマのような体型になりつつある・・・

それはさておき、ここでコーラを買うと、350mlの缶が8Rf(約64円)で、500mlのペットボトルが7Rf(56円)する。
量が多いペットボトルの方が安いという、逆転現象が起きているのだ。
なぜか。
それは、見ればわかる。

f0204584_1533027.jpg

f0204584_15342835.jpg


ちなみにペットボトルの後ろに写っているのは、私たちのディベヒ語の先生をしてくれているSofoora。
一児の母であり幼稚園の先生をしている彼女は、25歳とは思えないくらいしっかりしている。
私たちの島生活のよき理解者でもあり、年上なのに子どものような日本人たちの面倒をあれこれと見てくれるのだ。


さあ、わかりましたか?

そう、缶にはアラビア文字が書いてある。
全てアラビックなのでなんて書いてあるのか分からないけど、おそらくMade in UAEとか、その辺りだと思う。

そしてペットボトルには、英語表記の下に小さくディベヒ語で「コカー(コカではない)・コーラー」とあり、裏にはMaleでボトルに詰めたと書いてある。

つまり、缶は外国製、ペットボトルは国内産という訳。
そこに値段の違いが出てくることになるんだけれども、島の人曰く・・・

「缶は本物だからおいしい!」

そう言われてみると、たしかに缶の方が、炭酸が効いていておいしいような気がする!
ペットボトルは甘口というか、炭酸より甘味の方が強い感じ。
すっかり信じ込んだ私は、それ以来ずっと缶の方を愛飲している。

嘘か本当か、ぜひお試しあれ!
[PR]
by skr201 | 2009-11-02 15:35


モルディブでの島生活  +日本での日々の記録    -under the same SKY-
カテゴリ
以前の記事
検索
その他のジャンル
最新の記事
記事ランキング
画像一覧